お母さん! ゴーレムって割と身長小さい!

文字数 1,790文字

 ___ゴーレムの森___

 そして、時は戻り、ゴーレムの森。
 子持ちししゃものように棒に括りつけられている俺。
 可憐な美女にこのようなぞんざいな扱いを受けるのはいいが、目の前にはTHE男といった風貌をした兵士二人。
 これではご褒美どころか罰ゲームだ。

「俺、これからどうなるんだ?」

「... ...」
「... ...」

「答えてくれたっていいじゃねえか。雑談って大事よ」

「... ...」
「... ...」

 彼等の勤勉さには脱帽する。
 余計な話はしない。
正に兵士の鏡だね。

 兵士の姿に感嘆の声を上げていると、急に一人の兵士が乱雑に俺を降ろし。

「うわああああああ!!!! もう、嫌だ! 俺、帰る!」

 悲鳴を上げて逃げ出す兵士。

「ま・待ってくれよおおおお!!!」

 それに追従するもう一人の兵士。
 ああ。こんなへっぴり腰じゃダメ。
 訂正。さっきの賛辞は取り消しだ。

 視界は先程まで明るく、周囲の状況を見る事が出来たのだが、今は月が帽子を被ってしまって辺りの状況を窺う事が困難となってしまった。
 森の中で取り残され、凄く心細い。
 ピンチを上手く切り抜けたが、このままでは寂しさと不安で心肺停止してしまう。

「うあああ!!! お母さん!!!」

 気が付くと俺は幼子のように母を呼んでいた。
 お母さんとオッパイという言葉には人の心を落ち着かせる効果があると昔、近所で猫をいっぱい飼っていたオジサンが言っていたのでやってみた。

 ... ...ドン。

  背中を預けている地面から微弱な振動が伝わる。

「ん? 地震か?」

 ... ...ドン!

 今度は更に強い衝撃が。
 これは今まで経験した地震の感覚ではない。まるで大地を揺らす程の大きな者が迫ってくるようなそんな恐ろしい振動。
 段々と音が強まるとともに背中に伝わる振動が大きくなる。
 俺は一度、死を覚悟した身だ。
 
 恐怖はない。

 いや、うそだ少しある!

 ______ドシン!!!
 
 何か大きなものが俺の背中の後ろでピタリ。
 そういえば、先程、ゴーレムがなんちゃらと言っていた気が... ...。
 って事は... ...。
 恐る恐る、後ろを振り返ると赤い目をした人型の岩石の化物が地面に転がる俺をジッと見ている。
 ボディーにはゴツゴツした岩石が何枚も貼られていて、岩石のタイルで人型にかたどった恐ろしいビジュアル... ...。
 なのだが、もう少し、目の前の対象物に身長があれば俺は泣き叫んでいただろう。
  
「いや! ちっさ! B級遊園地のマスコットかよ!」

 その岩石の怪物は体長が1m程しかなく、まるで、ハロウィーンの仮装のようだった。

「... ...」

 的確なツッコミを入れる俺にぐうの音も出ないのか、ゴーレムはだんまり。

「損した! 焦って損した!」

「... ...」

 バタバタと足を動かせる俺。
 そして、ゴーレムは何も言わずにおもむろに俺を持ち上げ、まるで、お姫様抱っこのような態勢。
 抵抗しようとしたが、両手両足を縛られており、動くと腕がうっ血するため抵抗することを早々に諦める。
 先の死よりも目の前の手の痛みを優先する俺はゆとり教育の賜物。

 「なー。お前、俺を食うのか?」

 「... ...」

 「お前、口どこにあるの?」

 「... ...」
 
 先ほどの兵士のように問いかけても返ってこない言葉。
 そこで、俺はもう一つの不安に駆られる。
 
 ... ...俺って、嫌われてるのかな?
 こう見えて、人の評価というものが気になる俺は岩石の腕の中でうな垂れた。


 ______ドシン!

 巨神兵かよ。と思う程にドシドシうるさかったゴーレムの足音が突然止まり、目の前には山をくり抜いて作った洞窟の入り口のようなものが。
 洞窟の入り口からは風の音が漏れ、怪物の声のようなおどろおどろしい音を上げている。
 それはまるで、地獄の入り口のようで俺の股間も一気に縮こまった。

 ______ドシン! ドシン!

 洞窟に侵入するゴーレム。
 ここは恐らく、ゴーレムの巣に違いない。
 ここで俺は死ぬのか... ...。
 異世界に来て、俺は三度目の死を悟った。
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登場人物紹介

【主人公】
「名前」花島つとむ 「略称」花島
「年齢」27 「星座」おうし座
「性別」男
「種族」ヒト科ヒト属E.sapiens
「身長」175cm
「体重」85kg
「出身」日本
「髪の色・髪型・目の色」黒・短髪・黒
「視力・色力」1.5 問題なし
「メガネの着用」なし
「利き腕」右
「声質」高い
「手術経験・虫歯」高校生の時に蓄膿症の手術、部活動での左腕骨折・なし
「現在患っている病」なし
「鼻や目の形」鼻:大きく団子っ鼻 目:二重
「身体的特徴・乳房・足・ほくろ」寸胴型・年齢の割には腹が出ており、見た目は30代半ば
「前科」高校生の際に自転車泥棒
「賞・資格」漢検3級・普通自動車免許・宅地建物取引士・保育士
「学歴」高卒
「幼児青年期の精神的体験」生まれてすぐに父親が失踪し、母親が女手一つで育て上げる
「恋人・恋愛観・結婚観」なし・好きになった人が好き・お互いがある程度の年齢に達したらするようなもの。
「尊敬する人」中学の時に部活で世話になった先輩・スティーブンスピルバーグ
「恨んでいる人」父親
「将来の夢」特になし
「恐怖」大柄な態度を取る人と大きな声
「性格の特徴・口癖・くせ」性格:物事に対して常に否定的・初対面の人とすぐに打ち解ける事が出来る 口癖:「まあ... ...」
「人間関係・態度」良好。誰に対しても分け隔てなく接する
「トラブル関係」特になし
****性格****
「明るい方か」明るい
「ユーモア・暴力性」あり・あり
「活動・社交家か」YES
「知的か」知的ではないが物覚えは良い
「清潔か」NO
「表現力」適度
「弱点・悩み」頼まれごとを断れない
「異常性格・性癖」美少女に罵られたり、暴力を振られると性的興奮を覚えるが不細工にやられると嫌悪感を剝き出しにする
「変わっている所」異世界に来たというのに馴染むのが早い
****趣味****
「音楽」洋楽とJ-ROCKしか聞かない。最近までHIP-HOPは敵だと認識していた
               中でもチバユウスケを至高のお方と崇めている
「新聞」読まない
「娯楽」アニメ鑑賞と罠作り
「雑誌」読まない
「映画」グリーンマイル・東京物語
「創作」しない
「好きな色・嫌いな色」好き:緑・青・オレンジ 嫌い:こげ茶・赤
「好きな食べ物・嫌いな食べ物」好き:肉類 嫌い:魚類
「好きな香り・嫌いな香り」好き:杉や檜・女の子のシャンプー 嫌い:香水全般
****衣食住****
「インテリア・ファッション」大抵UNIQLO
「土地」日本
「ひいきの店またはメーカー」UNIQLO
「愛用品」Gパン
****習慣****
「こだわっている所」特になし
「意味のない所」特になし
「好きな言葉」虎穴に入らずんば虎子を得ず
「首飾り」なし
「ピアス」付けてはいないが『大丈夫おじさん』から貰った物がある
「指輪」なし
「タバコ」吸わない
「麻薬」吸わない
****その他****
「酒類」飲めない
「超能力」あり
「霊感」なし
「占い」信じる
「言葉なまり」なし
「野性的勘」なし
「職業」不動産屋
「ペット・植物」猫好き・植物は栽培していない
「特技・技」自身に対して使われた能力を取得可


【ヒロイン】
「名前」シルフ 「略称」シルフ・王
「年齢」17 「星座」おうし座
「性別」女
「種族」ヒト科ヒト属E.sapiens
「身長」170cm
「体重」50kg
「出身」ホワイトシーフ王国
「髪の色・髪型・目の色」金・ストレートロング・水色
「視力・色力」1.5 問題なし
「メガネの着用」なし
「利き腕」左
「声質」低い
「手術経験・虫歯」12歳の時に瀕死の状態となるが一命を取り留める
「現在患っている病」精神疾患
「鼻や目の形」鼻:小さい 目:二重で切れ目
「身体的特徴・乳房・足・ほくろ」八頭身・大きい、見た目は20代半ば
「前科」なし
「賞・資格」なし
「学歴」幼少期は学校に通わずに専任の講師がいた
「幼児青年期の精神的体験」10歳の時に父と母が死亡し、10歳にしてホワイトシーフ王国の王となる
「恋人・恋愛観・結婚観」なし・父親のような年上の人に甘えたい・なし
「尊敬する人」父親・母親・セバス
「恨んでいる人」父親・母親
「将来の夢」特になし
「恐怖」身近な人の死
「性格の特徴・口癖・くせ」性格:物事に対して常に否定的・傲慢 口癖:「だから何?」「~でもないのだけれど」
「人間関係・態度」親しい友人などがいない・初対面の人に対しては攻撃的
「トラブル関係」特になし
****性格****
「明るい方か」いいえ
「ユーモア・暴力性」なし・あり
「活動・社交家か」活動:YES 社交家:NO
「知的か」自宅にある書物の内容は大体頭に入っている
「清潔か」かなり
「表現力」適度
「弱点・悩み」直ぐに人を罵倒したがる
「異常性格・性癖」いつも苛立っている・美少女に性的興奮を覚える
「変わっている所」王として人前に出る時は性格を偽っている。大きく魅せている
****趣味****
「音楽」ヴァイオリンを弾ける
「新聞」
「娯楽」なし
「雑誌」
「映画」
「創作」しない
「好きな色・嫌いな色」好き:白 嫌い:黒
「好きな食べ物・嫌いな食べ物」好き:野菜・魚類 嫌い:肉類
「好きな香り・嫌いな香り」好き:花 嫌い:臭い香り全般
****衣食住****
「インテリア・ファッション」大抵ドレスを着用。ただ、本人は大人っぽい服装よりも子供っぽい服装を好んでいる
「土地」ホワイトシーフ王国
「ひいきの店またはメーカー」なし。シルフの服は城のメイド長の手作り
「愛用品」なし
****習慣****
「こだわっている所」王としての品位
「意味のない所」なし
「好きな言葉」
「首飾り」あり
「指輪」なし
「タバコ」吸わない
「麻薬」吸わない
****その他****
「酒類」飲めない
「超能力」あり
「霊感」なし
「占い」信じない
「イメージカラー」白
「言葉なまり」なし
「野性的勘」あり
「職業」ホワイトシーフ王国当主
「ペット・植物」小さくて可愛いものは全般的に好き
「特技・技」治癒魔法・防御系魔法


【キャラクター①】
「名前」シュタイナー・レイン 「略称」ゴーレム幼女
「年齢」??? 「星座」カニ座
「性別」女
「種族」???
「身長」130cm
「体重」30kg
「出身」聖リトラレル王国
「髪の色・髪型・目の色」金・ストレートロング・金色
「視力・色力」1.5 問題なし
「メガネの着用」なし
「利き腕」左
「声質」高い
「手術経験・虫歯」あり
「現在患っている病」精神疾患
「鼻や目の形」鼻:小さい 目:大きい
「身体的特徴・乳房・足・ほくろ」幼児体型・小さい・見た目は9歳児
「前科」なし
「賞・資格」なし
「学歴」貧乏だったので学校には通わずに教会で読み書きを教わる
「幼児青年期の精神的体験」10歳で既に国で一番強いと言われている魔導士よりも魔力が大きく、神童と呼ばれる。貴族ではない平民の子だった為に存在はひた隠しにされていた
「恋人・恋愛観・結婚観」なし・なし・なし
「尊敬する人」ヴァ二アル・クック
「恨んでいる人」幼少期に関わった人物全員
「将来の夢」特になし
「恐怖」孤独
「性格の特徴・口癖・くせ」性格:わがまま・傲慢 口癖:「みそ」
「人間関係・態度」花島以外に対しては優しい
「トラブル関係」数百年前にあった大戦で数千人の人と2つの国を滅ぼし、魔導士界隈では【最悪】と呼ばれている
****性格****
「明るい方か」YES
「ユーモア・暴力性」あり・あり
「活動・社交家か」活動:YES 社交家:NO
「知的か」NO
「清潔か」それなり
「表現力」適度
「弱点・悩み」なし
「異常性格・性癖」変なものを可愛いと感じる
「変わっている所」
****趣味****
「音楽」なし
「新聞」
「娯楽」なし
「雑誌」
「映画」
「創作」しない
「好きな色・嫌いな色」好き:白 嫌い:白以外
「好きな食べ物・嫌いな食べ物」好き:肉類 嫌い:なし
「好きな香り・嫌いな香り」好き:なし 嫌い:体臭
****衣食住****
「インテリア・ファッション」大抵ドレスを着用で服にこだわりはない
「土地」
「ひいきの店またはメーカー」なし
「愛用品」ちぃちゃんの普段着(特一級魔具)
****習慣****
「こだわっている所」依頼された事はキチンとこなす
「意味のない所」なし
「好きな言葉」働かざる者食うべからず
「首飾り」なし
「指輪」なし
「タバコ」吸わない
「麻薬」吸わない
****その他****
「酒類」飲めない
「超能力」あり
「霊感」あり
「占い」信じない
「イメージカラー」白・黄色
「言葉なまり」~みそ
「野性的勘」あり
「職業」なし
「ペット・植物」ネコっぽい生き物は大体好き、それ以外は食糧として見る
「特技・技」魔法全般・石化能力

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