落羽
文字数 304文字
鳥の声で目が覚める。
気だるく身体を起こせば、日は高くこちらを見つめていた。
見慣れた部屋にいた。ここ数日、目覚めに見ていた景色だ。
酷い悪夢だったのだろうか。
快晴だった。雨はどこかへ過ぎ去ったようだ。雲ひとつない美しい青天井が四角い窓から覗いている。
鞄を持ち、その空色を身に浴びる。町の出口へと歩いていくと、数人の男性が何やら話をしていた。そのうちひとり、がっしりとした体格の男性が、不思議そうに声をあげた。
「昨夜の雨で土砂崩れが起きて、あの立ち入り禁止のトンネルが埋まったらしい。よく分からねえ場所だったから別に何というわけじゃないんだが。それにしても、なぁ、あれだけ舞ってた蝶はどこいったんだ?」
気だるく身体を起こせば、日は高くこちらを見つめていた。
見慣れた部屋にいた。ここ数日、目覚めに見ていた景色だ。
酷い悪夢だったのだろうか。
快晴だった。雨はどこかへ過ぎ去ったようだ。雲ひとつない美しい青天井が四角い窓から覗いている。
鞄を持ち、その空色を身に浴びる。町の出口へと歩いていくと、数人の男性が何やら話をしていた。そのうちひとり、がっしりとした体格の男性が、不思議そうに声をあげた。
「昨夜の雨で土砂崩れが起きて、あの立ち入り禁止のトンネルが埋まったらしい。よく分からねえ場所だったから別に何というわけじゃないんだが。それにしても、なぁ、あれだけ舞ってた蝶はどこいったんだ?」