第4話

文字数 513文字

彼も忙しいのはわかる。
けど、一緒に家事をしてくれたら良いのに。
確かにパートに出る前は、小さい子供のお世話と家事でいっぱいいっぱいだったけど、今はちびのお世話の代わりにパートがあるんだ。
それでも、洗濯物の干し方に文句言っただけでやる気なくしちゃう。
たまに思いつきみたいにやる食器洗いとお風呂掃除くらいじゃとても足りない。
それでわたしに時間の余裕が出来て、ふたりきりの時間だったら、わたしだって吝かではないのに。
お酒だって飲まないのはそう。
わたしには、気持ち良くなってグッタリしてる時間なんてないんだ。
ん?
彼、「男性は空腹時に性欲が増す」って言ってたわね。
じゃあ、一緒にごはん食べたら、性欲治まるかしら?
きっと彼はわたしの性欲を高めようと食事に誘ってくるだろうから、それくらいは受け入れよう。
でも、それだけ。

世の男性の間に囁かれる、「ふたりきりでの食事はベッドもオッケーのサイン」という都市伝説めいたものは、はたしてこんなとこだろうか?
結局この夫婦は、さまざまなすれ違いの末別れてしまった。
あんなに愛しあっていたふたり。
変わったのは、彼か、彼女か、両方か?
いや、きっと都合良かっただけのふたり。
都合が合わなくなっただけ。
ご愁傷様。
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