次の乗客

文字数 501文字

「おや、あなたも迷い込んできた方ですか?」
そう、車掌はあなたに話しかけた。
「現代を生きる人には、迷いが生じる時がありますからね、えっ?私ですか?私も迷いが生じる時だってありますよ、今、この列車の運転手は、何番目の兄だったか、弟だったか…と、迷うんですよ、一杯いるせいで。えっ?そういった迷いじゃない?そうでしたか、失礼」
帽子を少し上げても、その車掌の顔は見えず、黒い人型である事しか、確認できない。
「あなたは、イブですか?それともアダム?まぁ、どちらにせよ、人間である事は間違いないようですね、あなたの前に迷い込んできたのは、イブでした。
少々、周りと違う部分があると、悩んでいたようですね、しかし、少しずつ異世界に馴染もうとしながら、迷いや悩みを解決する糸口を見つけたみたいですね、良かった、良かった」
車掌はあなたに対し、勝手に話を続けた。
迷い込んだのはイブなのか、アダムなのか…。
車掌はあなたに対して、言葉を続けた
「welcome to labyrinth」
列車のシートに座る乗客は、次はどんな世界へ迷い込むのか…。
車掌の男はニタニタしながら待ちわびている。


                  END

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