第1話 始まりは突然に

文字数 918文字

 それは突然だった。

 ある日のHRの時間に全ては始まったのだ。

 そう、禁じられた恋が………



――HRの時間

あーあ……つまんないの。

 私、風見千尋は頬杖をつきながらそう呟いた。

 教室を見渡すと、一部の生徒を除いた何人かは私と同じように退屈そうにしている。

 私はため息をついた。


 私は地元の公立高校に通う高校二年生。ピチピチの17才。(古い?)

 自分で言うのも何だけど、元気一杯・自由奔放な女の子。


 成績は……あまり言いたくないけど、まぁ中の下くらいかな。自慢じゃないけど。

 顔はまぁまぁっていうかちょっとは可愛いかな?って感じ。うん。ごめん、調子乗りました……

風見さん!
は、はい!……何でございましょう!
人の話はちゃんと聞いて下さい。
はぁ~い……

 高崎先生に怒られちゃった……

 あ!高崎先生というのは、私のいる二年三組の担任の先生。いつもは優しいんだけど、怒るとちょっと恐い。笑ってるんだけど目が笑ってない。まぁ今のは私が悪いんだけどね。

それでは、二年三組のHR委員長は風見さんでいいですね?
賛成ーー!
え?え?……えぇ~~!?

 どういう事なの、これは?何かよくわかんないけど勝手に決まりそうになってるし……

 私が何かしたのか~~!

え……ちょっと待って!何で私が……
だって千尋、手挙げてたから……

 隣の席の大神桜が言う。桜とは小学校からの親友で……ってそんな事は今はどうでもいい!

 桜に言われて自分の手を見ると、何と右手をピーンと挙げているではないか!

そ、そんなつもりじゃ…ただ返事をしただけな…の…にぃぃ……
よろしくお願いしますね、風見さん。

 先生に肩をポンと叩かれ、コクンと小さく頷くしかなかった。

 でも……一つだけ言わせて。何でこんな中途半端な時期に決めるの~~!(6月)


 私の心の叫びなどお構い無しに無情にチャイムが鳴った。

今日はここまで。それではまた明日。皆さんさようなら。
 先生はそう言い、悠然と教室から出て行った。
ちくしょう……何で?何でこの私が委員長……。二年三組は破滅だわぁぁぁ……
千尋……自分で言ってて悔しくないの?
桜……悔しいわよーー!
私は桜に抱きついて大声で泣き喚いた。
どうしよ、これ……
桜の呟きも聞こえないほどに……
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登場人物紹介

名前:風見千尋 

年齢:17歳(高校二年生)

性格:明るく元気な女の子。時々言葉遣いが乱暴になるのが短所。

名前:大神桜

年齢:16歳(高校二年生)

性格:基本大人しいが千尋限定で厳しくなる傾向あり。普段はおっとり天然系。

名前:高崎拓也

年齢:25歳

性格:温厚で物腰が柔らかく、生徒に対しても常に敬語で話す。いつもスーツをビシッと着こなす真面目な先生。

名前:藤堂勝利

年齢:25歳

性格:スポーツマンみたいな体格といつも笑顔で明るく生徒に接するので意外と人気がある。だが少し脆い面もある。

名前:白石雄太

年齢:17歳(高校二年生)

性格:いつもニコニコ笑顔で男女問わず接するので人気者。クラスのリーダー的存在。千尋とは一年生の時のクラスメイト。

名前:須藤由美

年齢:17歳(高校二年生)

性格:千尋と桜のクラスメイト。図書委員。控えめな性格であまり自分から積極的に発言しないタイプ。でも意外とお笑いとか好き。

名前:高崎亜希(拓也の姉)

年齢:非公開

性格:サバサバしていて大っぴらな性格。千尋の事を初めて会った時からお気に入り。

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