第10話 そして再び
文字数 1,261文字
第十話 「そして再び」
「ねえ、タカヒロさん、逢いたいんでしょ?あの人に」
「いや別にいいんだ、もう・・・ん?待て・よ・・・ユカ!お前、
さっき一緒に居た男の子知ってるよな?」
「知らない、て言うか他のクラスの男の子だよ」
「じゃあ同じ3年生ってことか?どこの高校に行くのか?明日聞いて
もらっても・・いいか・・なぁ~?」」
「やだよ、ばっかじゃないの~!何で他のクラスの男の子に、どこの
高校に進学するの?なんて聞ける訳無いでしょ!」
「あぁ、そうか、それもそうだよな・・・」
「でもさぁ~、殆どの生徒はみんな地元の県立高校に行くよ」
「ん?そうか、じゃあ、ユカも当然そこに行くんだよな?」
「うん、まあそっかな?一応これでもユカは学年トップで、県内一の
難関校に行ったらって、担任が勧めてるんだけど」
「地元が一番だ!近いし、電車やバスも要らないし!自転車で通えるし!
朝はゆっくり寝坊も出来るし、夕方も早く帰って来れるし!」
「パパは自分の初恋の人に逢いたいから、その人の子どもと同じ高校に
行かせたいだけでしょ?ばっかじゃないの!」
「違うって言ってんだろ!ユカの為を想って言ってんだぞ!」
「タカヒロさん!直ぐ興奮すんだからぁ~、殆どの生徒さんは地元の県立
高校に行くって話だから、ユカもそうでしょ!」
「浮気パパ!初恋のゆうこさんと父兄会で逢ったらどうすんの?」
「えっ?あっ!おぉ!ユカぁ!お前は、このバカたれがぁ~!」
「タカヒロさん、逢ったらどう?お茶くらい誘って上げたら?喜ぶかも、
ふふふふ~」
「気持ち悪い奴らめぇ~」
でもこれからは高校の父兄会で憧れの初恋の裕子さんに遭える~!!
そう思うと、ずっと子供の頃から暗めでマイナス思考だった僕のアタマの
中がパア~ッと明るくなり、春の花が満開に咲いたようにルンルン気分に
舞い上がってきた。
僕はなんか嬉しくて、嬉しくて、ワクワクして笑みがこぼれていた。
可笑しいな、不思議な感覚だな。
愛する妻や子供が居るのに、やっぱり初恋の人って別の次元に居る、心の中
にひっそりと咲き続ける”高嶺の花”エーデルワイスのような、そんな感じ
なんだろうな・・・
「裕子さん・・・ククク、楽しみだなあ~~~」
「ねえママ、またパパ見て!デレデレ、ニタニタ笑ってるよ、超キモ~!」
「ユカ!放っておきなさい!パパは昔からオカシイ人なんだから」
「じゃあ何で、ママはパパと結婚したの~?」
「こんなパパだけど、心が綺麗で子どもみたいに無邪気なとこがあって、
優しいからね・・・」
「へえぇ~~~、ぷっ、キャハハハハ~~~」
~~~僕は相変わらず、夢うつつで~~~~
裕子さんに虜にされた心の中は既に ”うわの空” ~~~
「ゆ、裕子さぁ~ん~~~~~~~」
その時、僕は子どもみたいに純情で無邪気にはしゃいでいた。
そして15歳の少年だった、あの頃に戻っていたのであった。
「ねえ、タカヒロさん、逢いたいんでしょ?あの人に」
「いや別にいいんだ、もう・・・ん?待て・よ・・・ユカ!お前、
さっき一緒に居た男の子知ってるよな?」
「知らない、て言うか他のクラスの男の子だよ」
「じゃあ同じ3年生ってことか?どこの高校に行くのか?明日聞いて
もらっても・・いいか・・なぁ~?」」
「やだよ、ばっかじゃないの~!何で他のクラスの男の子に、どこの
高校に進学するの?なんて聞ける訳無いでしょ!」
「あぁ、そうか、それもそうだよな・・・」
「でもさぁ~、殆どの生徒はみんな地元の県立高校に行くよ」
「ん?そうか、じゃあ、ユカも当然そこに行くんだよな?」
「うん、まあそっかな?一応これでもユカは学年トップで、県内一の
難関校に行ったらって、担任が勧めてるんだけど」
「地元が一番だ!近いし、電車やバスも要らないし!自転車で通えるし!
朝はゆっくり寝坊も出来るし、夕方も早く帰って来れるし!」
「パパは自分の初恋の人に逢いたいから、その人の子どもと同じ高校に
行かせたいだけでしょ?ばっかじゃないの!」
「違うって言ってんだろ!ユカの為を想って言ってんだぞ!」
「タカヒロさん!直ぐ興奮すんだからぁ~、殆どの生徒さんは地元の県立
高校に行くって話だから、ユカもそうでしょ!」
「浮気パパ!初恋のゆうこさんと父兄会で逢ったらどうすんの?」
「えっ?あっ!おぉ!ユカぁ!お前は、このバカたれがぁ~!」
「タカヒロさん、逢ったらどう?お茶くらい誘って上げたら?喜ぶかも、
ふふふふ~」
「気持ち悪い奴らめぇ~」
でもこれからは高校の父兄会で憧れの初恋の裕子さんに遭える~!!
そう思うと、ずっと子供の頃から暗めでマイナス思考だった僕のアタマの
中がパア~ッと明るくなり、春の花が満開に咲いたようにルンルン気分に
舞い上がってきた。
僕はなんか嬉しくて、嬉しくて、ワクワクして笑みがこぼれていた。
可笑しいな、不思議な感覚だな。
愛する妻や子供が居るのに、やっぱり初恋の人って別の次元に居る、心の中
にひっそりと咲き続ける”高嶺の花”エーデルワイスのような、そんな感じ
なんだろうな・・・
「裕子さん・・・ククク、楽しみだなあ~~~」
「ねえママ、またパパ見て!デレデレ、ニタニタ笑ってるよ、超キモ~!」
「ユカ!放っておきなさい!パパは昔からオカシイ人なんだから」
「じゃあ何で、ママはパパと結婚したの~?」
「こんなパパだけど、心が綺麗で子どもみたいに無邪気なとこがあって、
優しいからね・・・」
「へえぇ~~~、ぷっ、キャハハハハ~~~」
~~~僕は相変わらず、夢うつつで~~~~
裕子さんに虜にされた心の中は既に ”うわの空” ~~~
「ゆ、裕子さぁ~ん~~~~~~~」
その時、僕は子どもみたいに純情で無邪気にはしゃいでいた。
そして15歳の少年だった、あの頃に戻っていたのであった。