榎本レン

文字数 2,340文字

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他の方は触れてはなりませぬ。

魔の公園の魔女?

沙凪 繭(さなぎ まゆ)がその魔人のことを知ったのは先日のことだ。



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公園で行方不明者が多数……痛ましい事件ですね。

なんにせよその魔女もとい少女をとめなければ……

繭にはその魔人を止めてほしいという依頼が寄せられていた。

医師としては兄のように苦しむ人をみたくないというのが彼女の信条なのだ。

そして今公園に繭はいる

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ここのが魔の公園……
公園には異様な空気が漂っていた。肌を刺すような空気だ。何か得体の知れないものがいるのだろう……。 頭がそう告げている。それは、たくさんの魔人を治療して培われた繭の直感だった。

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あれは……?
ま、まて、やめてくれええええ……!
あい・めるへん・びーむ
繭は思わず口元を手で押さえた。少女が男に向かってウインクすると光線が男に向かって発射され、男は……

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ペロペロキャンディになった。少女は落ちてきたペロペロキャンディを掴み……

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おいしい。やっぱりペロペロキャンディーはおいしいわ! ねっきらり!
おいしい!おいしい!おいしいの!
そのまま男だったものを舐め始めた。

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なにをしているのですか あなたは!
おねえちゃん、だあれ?
あなたのその力、歪んだ認識を治療するものです!
こんなことをしたら、皆、恐ろしいこと! もうやめなさい。
どうして?ひとはみんないたいことをするいきものでしょ。おかあさんもおとうさんもわたしにいつもそうしてた。 
みんなみんないたいことをするひとたちなら、たのしいものに、かわいいものに、おいしいものに、かえてしまえばいい。 ……せかいがみんなそうなればいいのに。
だからね。――おねえさんもいいものにかえてあげるの。
かえるのかえるのかえるのー!
少女の雰囲気が変わった。説得は失敗だなと繭はごちた。

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いくよー あい・めるへん・びーむ
残念ですが私には効きません!
おねえちゃんもふしぎなことができるんだ。
じゃあ、これなら、どお?めるへん・わーるど!
少女のウインクによって少女の身体と持っていた本が光始め、空に向かって光が放出され、拡散した。 あまりの眩しさに目を閉じていた繭が目を開けると……。

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これは……
ガルル……
シュー
グオオオオオ!
おおかみ、ぶりきのへいたい、そしてジャバウォックよ
ジャバウォック……、確かとある童話のジャバウォックの詩に出てくる怪物だったからしら……?
めるへんめるへん、かわいいだけじゃない!
めるへんめるへん、どうわはざんこくなの!

くるくる回りうたうように言葉を口にした。

あむは服をなびかせながら、くるくると回り――歌うようにその言葉を口にした。

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まずいわね……。(RIVERSによる錠剤Xの相手の能力無効は5回まで……あれが彼女の能力からできたものだとすると、服用してしばらくは薬に耐性ができるからあと4回しか攻撃をうけられない!)
けれど!……錠剤ウェポン! 七つ道具 錠剤剣!
彼女とて、魔人との戦闘経験がないわけではない錠剤ウェポンとは彼女の錠剤Xの力を持った武器で彼女が対魔人用に完成させたものだ!

錠剤剣というものの銃と剣が一体になったいわゆる銃剣である。

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銃剣!連射!
狼もブリキもドラゴンであるジャバウォックも撃ち抜かれていく。 だが……?

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ジャバウォックは傷がなくなるんだよー!
その言葉通りジャバウォックが立ちあがり、傷がみるみるうちに再生していく

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そこまで!
私の錠剤の効果を無効化して再生するとは……強敵ですね……
ジャバウォックはどうわのさいげん、あむのじしんさく!
童話の再現……やはりそういうことですか! 使用武器は銃剣で当たりだったようですね ――銃剣(ソード・バレル)起動!
銃剣の剣の部分が光輝く! 錠剤の力を濃縮した輝きである!

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はあああああああああああああああああ!
繭の跳躍! ジャバウォックも巨大な火球を放ち、迎え撃つ……!

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グオオオオオオオオオオオオオ!
だが繭は躊躇わず、火球の中へ飛び込み、火球を切り裂いた!

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(あと3回……)その首、貰うわ!
錠剤剣一閃! ジャバウォックに飛び乗った繭はその首を切り落とした!

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ジャバウォックが地に倒れ伏し、沈黙した。再生もしていない。

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童話のジャバウォックは剣で首を切り落とされ、倒された。童話の再現であれば、当然、弱点も童話通りね。
2だいめのジャバウォックをやっつけちゃうなんておねえちゃんすごいね!
すごいねすごいね!
もうあなたを守るものはいません 降参して私の治療を受け入れるのです。
うん! あそびはおわり! そろそろ、おうちにかえらないと!……おねえちゃんもいっしょに……!
何を言っているの……?
繭は空を見上げながら話すあむにつられて、空をみる。

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空に浮かぶ大きなあむが繭をみていた。繭はそばにいるあむの変化に気づいた。そして、すべてを理解した。

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(本を持っていない……) 

そういうことですか……ここはすでに本の童話の世界(メルヘンワールド)だったのですね……

せいかーい!
せいかいだよー
「「「「せいかい!」」」」

と公園の端から数えきれないほどあむが現れた。


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あのジャバウォック達もあなた達も……元は……
うん、わたしたちは、みんな、わたしになったのー! だってわたしじしんがめるへんちっくだから! 


「「「あい・めるへん・びーむ」」」

すべてのあむが繭に向かってびーむを放った。

 

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(わたしの錠剤の無効回数を優に超える攻撃……) 無念です……
あなたがつぎのジャバウォックだよー!
グルル……
パタン!  あむは本を閉じた。

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おもしろかったー!

あっ、にっきもかかなきゃ!

3がつ13にち!

きょうはおねえちゃんとあそんで、けんかしちゃった。でもどうわのなかでいつでもあえるもんね! きっとなかよくなれるもん!ずっといっしょだよ! 

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おしまい。

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登場人物紹介

「治療を開始します」



天使にアンチテーゼを

○沙凪 繭(さなぎ まゆ)

性別:女



世界平和を夢見る薬剤師。

魔人能力依存症の兄を持つ。

そんな兄のことを想うあまり、自らも魔人になってしまう。

彼女に与えられたのは「魔人を人間に戻す」能力。

兄を苦しませる痛みを無くしたい――その祈りは届いた。


その後、彼女はもっと多くの人間を救いたいと思うようになる。

勉学に励み薬学部を卒業後、国家資格を取って薬剤師を営む。

「魔人を人間に戻せる世界で唯一の薬剤師」という名目で

世間から注目を浴びるようになったのは、それから間もない事だった。


なぜ、誰も私のような能力を得られないのか。

なぜ、私だけが選ばれたのか。

彼女の疑問は尽きない。

泣いても笑っても、多忙の日々は続く――。

今日も迫害から逃げてきた魔人が彼女を訪れるだろう。




能力名:RIVERS

魔人を人間に戻す錠剤Xを生成できる能力。

1日1錠、食後に摂取すること。

完治までにどれぐらいの時間を要するかは魔人によって異なる。

その人物の「能力侵食率」が高いほど

長い時間をかけて治療する必要がある。


魔人能力によって得られた強靭な肉体も

治療の過程で徐々に失われていき、

最終的に普通の人間と変わらないレベルまで戻ってしまう。


また、彼女自身が服用することで他者から受けた

能力効果を打ち消す作用もある。

自分の能力が薄れることは決して無い。




戦う動機:全ての魔人を救済するため。



イラスト:偽典オー

作者:如月真琴


愛瑠世 あむ(めるせ あむ)

『あむは服をなびかせながら、くるくると回り――歌うようにその言葉を口にした。』

女性 7歳


能力名:あい・めるへん・びーむ

ビームで対象をメルヘンやメルヘンチックなものに変える能力。

あむが可愛いと感じるものにも変化させることができる。

ビームを受けた対象はあむの命令通りに動かなければならない。


ウインクすることでビームを発生させる。



・設定

親に虐待されていた女の子。虐待の影響で価値観が歪んでいる。

童話、可愛い物を好み、いつしか世界が自分にとって楽しいものに変わればいいのにと妄想するようになった。

ある日、いつものように虐待を受けていると、能力に覚醒。親をぬいぐるみに変えてしまう。

その日を境に、世界はあむにとって楽しいものに満ち溢れた。


普段は人形と本を持ち歩いている。

人形に声をあて、自分自身と会話しながら遊んだり、日記をつけるのが趣味。


戦う動機:メルヘンや楽しい世界を広げるため。

アイコン:公式

作者:榎本レン


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