合法的な麻薬

文字数 1,456文字

 全くの個人的見解として聞いてほしいのですが、私はステロイドを『合法的な麻薬』だと思っています。
 多くの皮膚科医がステロイドを『魔法の薬』と崇めたて、
「皮膚症状が治まったら少しずつ減らそう」
などと言いますが、それはごく普通の蕁麻疹などの短期決戦に有効なだけであって、長期戦となる乾癬やアトピーに向く方法ではないのだと、いい加減気づくべきです。

 確かに患者の方も早く症状が治まることを求めますから、医者もそれにこたえる形にはなるのでしょうけれど。ま、いきなり行った病院で、薬も出さず厳しい食養生を言われたら、『先生、サボってんのか』と言い出す方もいるでしょうね。

 ですが、何度も言いますが、乾癬は皮膚疾患ではなく、内臓疾患です。その人の許容範囲を超えた高カロリーな食事およびナス科の食材からもたらされる毒素に身体が悪酔いしてしまい、無茶苦茶な指示を下している状態です。誤って毒物を飲んでしまったらどうしますか? 速攻胃洗浄しますよね。それなのに、毒を飲んだ形跡がないからと言って別の治療を行っても効くわけがない。

 また私は、この脱ステをするにあたって、同じように脱ステをした方の記事を数多く読んできました。そして、その中の少なくない方の脱ステ理由が、ステロイドが効かなくなったから……つまり、『ステロイドに捨てられた』乾癬患者さんでした。
 人は慣れる生き物。例えばゴミ屋敷。片付け企画などで訪れた芸能人は目をしばしばさせながら痒がっているのに、本人は全く平気だなんて映像を見ますよね。暮らし続けているその人は周りに流れている悪臭にもはや慣れてしまって感じなくなっているのです。

 それと同じように、ステロイドも使い続けると慣れて、最初の薬では効かなくなりどんどんとランクが上がっていきます。そして、数十年かかって最高ランクに到達し、それも効かなくなってステロイドから『捨てられる』のです。そうなってからのリバウンドは想像を絶する苦行で、少しずつステロイドのランクを落としてやらないと肝機能障害を起こす方もあり、完全に脱ステを終えるまでに数年を要するということも。
 私は喘息でステロイドを使用していたために弱い物が効かず、いきなりランクⅡのきついものを処方されたことで、怖さに早めに気づけましたが、『ステロイドとしては弱い物だから』と低ランクのものを処方されずっと使用してしまっていたらと思うと、読んでいて震えが止まりませんでした。

 そして、見逃してはならないのは、その副反応です。ステロイドは皮膚には絶大な効果を発揮しますが、それ以外でいろいろな副反応をもたらします。誤って目に入ってしまったら失明するとは聞いていましたが、今回そうでなくても使用し続けることで目がかすむなどの症状を発することがあると知りました。
 実際、たすくには白内障の兆候があるのですが、脱ステを始めてから徐々に右目のかすみが減っているのです。
 それだけではなく、私の持病の薬も効かなくしていたと知って愕然。大して生活を変えたわけじゃないのに、なんでこんなに(内科医に)怒られなんねやろと思っていたんですが、犯人はお前か!!

 という訳で、私個人としてはステロイドは『百害あって一利なし』と思っていて、本音を言えば全ての乾癬患者さんに脱ステをしてほしいと思ってたりするんですが、それは余計なお世話ですよね。

 ま、でもたすくですから……なので、今日もこうしてネットの片隅で老婆心全開で叫んじゃうのです。

 
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