第3話

文字数 2,550文字

登場人物
木村
三好
町の人
牧師(台詞ないけどいるよ)
林原莉沙 美琴の姉。ちなみに美琴には二人姉がいるが、もう一人の姉は登場しない予定…。

 ○朝。朝食を食べてる美琴と莉沙。
莉沙「朝ごはんできたよー」
美琴「いただきまーす」
莉沙「美琴」
美琴「ん?」
莉沙「入社して一年過ぎたけど――会社はどう?」
美琴「うん、まぁまぁかな。大したミスもしてないし…一人、しつこい男がいたけど…ちゃんとフッたから大丈夫」
莉沙「それって、三好さんって人?」
美琴「そ。ごちそうさま、行ってきまーす」
莉沙「美琴! お弁当忘れてる!」
美琴「あ、テヘ。ありがと。お姉ちゃんってほんと頼りになる! じゃ行ってきまーす!」
 ○寂しそうな顔で手を振ってからため息をつく。
 ○会社。
美琴「おはようございまーす」
木村「あ、林原君。早速だけど、次のプロジェクトは広瀬くんと、三好くんと共にやってもらう事になった。プロジェクトの内容は海岸沿いの教会の再建だ。何せ金銭的な余裕がないと言うので、サクッとやってしまってくれ、よろしく頼んだよ」
三好「オレがチーフだから、よろしく、林原さん。」
美琴「……げぇ」
 ○OP
 ○どっかの飲み屋
三好「んじゃ、初チーム結成を祝って…カンパーイ」
 ○乾杯する3人。
美琴(なんであたしが…)
三好「ねー何にする? 鍋は?」
広瀬「あ、僕、鍋は苦手で」
三好「へー桃子ちゃん鍋苦手なんだー。オナベのくせに」
広瀬「ハハハ」
三好「ねー、桃子ちゃんってどこ出身なのー?」
広瀬「あの…僕は生まれは東京ですけど大学は京都だったんです」
三好「へー。関西の女の子って可愛い? それとも林原さんみたいに気強い?」
広瀬「えーそうですね人それぞれだと思いますけど…。」
美琴「それより今回のプロジェクト、市の補助金が出るとは言え30万円しか使えないんですよ。どうします?」
三好「普通に作ればいいじゃん、普通にさ」
広瀬「普通に作ったって足りる額じゃないですよ。僕達の手で作っていくしかないです」
三好「ねぇ、なんで僕って言うの? 女なのにさ」
広瀬「…別に…いいじゃないですか」
三好「キミって処女だよねぇ?」
広瀬「そうですね…」
美琴「三好さん! もういいでしょ!」
三好「何が? ただ自己紹介してもらってるだけじゃん」
広瀬「美琴さん、いいんですよ、慣れてますから」
 ○黙る美琴。三好は「キミ、よく見ると綺麗な手してんねぇ」とか言ってる
CM
莉沙「どうしたの? 元気ないけど」
美琴「今日から肉体労働なんだよねー…」
莉沙「まぁ、大変ねぇ…頑張って」
美琴「はぁ~…」
 ○駅前を出勤している美琴。ふと、ショーウィンドウの花束を見つける。一目惚れする美琴。
 ○場面転換、ブーケを買って浜辺出勤する美琴。
美琴(綺麗なブーケも買っちゃったし、今日はいい事ありそ♪)
美琴「おはようございます!」
 ○地元の人とかが集まってくれてる。
三好「来たね、美琴。」
美琴「三好さんこそ、こういう仕事はパスすると思ってましたよ」
三好「ま、初日くらいは来るさ。挨拶がてらね」
 ○ビスケットみたいなの食べてた広瀬が美琴に気付いてやってくる。
広瀬「美琴さん、今日はよろしくお願いします」
町の人「よーしみんな気合い入れてくぞぉー」
町の人たち「おー」
 ○昼。みすぼらしい弁当を食ってる広瀬。
 ○場面転換。建てたドームが落ちる
町の人「あー」
三好「やっぱドームは素人にゃ無理だよ」
広瀬「うーん…しかしこれがなければ教会の魅力が…」
三好「ベツに良いんじゃないのー? 充分きれーだしー」
広瀬「もう一度だけやってみませんか」
三好「うるっせーなぁ! こんな事して何になる? 部長だってサクッと済ませろって言ってたろ!? こんな仕事、俺には似合わないんだよ。そもそも居ねもしねーモン奉って、下らねー」
広瀬「三好さん、これは信仰の問題ではなくて…」
三好「オレに説教垂れんのか? だいたいお前の恰好が気に入らねーんだよ、男みたいにしやがって!」
広瀬「…。」
三好「フン、分かればいいんだよ。オレは抜けるからな。あとはお前らでしっかりやんな」
 ○去る三好。
 ○さざ波。しょげている広瀬。
美琴「…元気出しなって。アイツちょっと頭おかしいし」
広瀬「いや、三好さんは正しいです…こんな所に拘ったって、完成が遅れて皆さんから苦情が出るだけなのに…それに、僕がおかしいのも…」
美琴「先輩はおかしくないです! あっそうだ、これあげます」
 ○朝買ったブーケを広瀬にあげる美琴。
美琴「今朝お花屋さんで買ったんです。ブリザードだから長持ちしますし」
広瀬「…ありがとう。ああ、確かに綺麗ですね…」
 ○晴れてきて夕焼けがキレイになる。美琴が見ている広瀬がオレンジ色になる。
美琴「広瀬さん、見て、夕焼けめっちゃ綺麗やんなぁ」
 ○ほかの人も夕焼け見てる。ドームができてないせいでむき出しになってる教会の鐘越しに夕焼けと海が見える
広瀬「…」
美琴「このままでも…充分キレイやね」
広瀬「ええ…そうですね」
 ○夜、美琴んちの前
美琴「設計書き直しも通ったしもう安心やね」
広瀬「ええ。今日は色々とありがとうございました」
美琴「こっちこそ送ってもらっちゃって…広瀬さんだって女の人やのに…」
広瀬「はは、でも居たほうがいいでしょう?」
美琴「…うん、ありがと」
広瀬「…お花…ありがとうございました…今度何かお礼…しますね」
美琴「気にしないで」
広瀬「じゃあ…お休みなさい」
美琴「あ、待って。」
広瀬「?」
 ○美琴、広瀬の額に手を当てる。
広瀬「!?」
美琴「やっぱり、少し熱ある。」
広瀬「へっ?」
美琴「なんか体調悪そうやったから…。なんで言わへんの」
広瀬「す、すみません…。」
美琴「良かったら…泊まってく?」
広瀬「…へっ!?」
美琴「あいやいやちが…うち実家住まいだから! その、今日はもう遅いし、それにさ…いつもなんかしょぼいお弁当食べてるし…ちゃんと食べてるのかなって心配になって…うちなら朝ごはん食べれるし」
広瀬「えっそんな…見てたんですか…実は料理って苦手で」
美琴「じゃ、決まりね! さ、入って!」
広瀬「でもご家族に悪いのでは…」
美琴「大丈夫大丈夫。ただいまー」
莉沙「お帰りなさい、随分遅かったわね…」
 ○目が合う二人。
莉沙「…広瀬くん?」
広瀬「…莉沙…さん…!?」
美琴「え?」
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