【お題*】晦日蕎麦

文字数 137文字



 大晦日の夜鳴き蕎麦。
 除夜の鐘が響く屋台に、客がやって来た。
「よお大将、こんな時にも仕事かい」
「こんな時だからこそ、でさ」
 店主はかけ蕎麦を差し出した。
「現世に未練を残すというのもまた煩悩。これを食ったら、煩悩を払って行くんですぜ」
 客は涙ぐみ、蕎麦を啜るとスッと消えた。
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ココニ……イルヨ……

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