【お題】叺背負い(かますしょい)

文字数 187文字



 それからというもの、妻の様子がおかしくなった。
「暗闇の中にあの子がいる」
 気付くと路地裏や暗い部屋の闇を撫でながら囁きかけている。
「行くから、もうすぐ、私も」
そして新月の晩、妻も消えた。

 生憎、私には暗闇の向こうへ行く方法が分からない。
 闇から伸びる手は、目の錯覚だ。
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ココニ……イルヨ……

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