第1話
文字数 369文字
わたしは美しい。
ギリシア神話の女神を思わせる、かっきりとした顔立ちは彫刻のよう。
深く艶やかな瞳は見るものを吸い込むようであり、いてもたっても居られない気持ちを沸き立たせる。
誰もがわたしを手に入れたいと渇望する。
わたしの桜色の唇を奪い、豊かに渦を巻く髪の毛を愛撫したいと、のたうち回るほどに願う。
わたしの声を聞いたものは全身の力が抜け、耐えがたい官能に負ける。
その場で座り込み、人目のあるなしに関わらず、体をよじって耐えかねる欲望に苦しむはずである。
だが、次の瞬間、人は死よりも暗い絶望を味わう。
わたしを見て、どうしても手に入れたい思いで瞬間的に心を燃え上がらせた直後、人はどうにもならない思いに狂いそうになりながら、その眼を逸らす。そして、一生、後悔するのである。
わたしを、見てしまったことを。
ギリシア神話の女神を思わせる、かっきりとした顔立ちは彫刻のよう。
深く艶やかな瞳は見るものを吸い込むようであり、いてもたっても居られない気持ちを沸き立たせる。
誰もがわたしを手に入れたいと渇望する。
わたしの桜色の唇を奪い、豊かに渦を巻く髪の毛を愛撫したいと、のたうち回るほどに願う。
わたしの声を聞いたものは全身の力が抜け、耐えがたい官能に負ける。
その場で座り込み、人目のあるなしに関わらず、体をよじって耐えかねる欲望に苦しむはずである。
だが、次の瞬間、人は死よりも暗い絶望を味わう。
わたしを見て、どうしても手に入れたい思いで瞬間的に心を燃え上がらせた直後、人はどうにもならない思いに狂いそうになりながら、その眼を逸らす。そして、一生、後悔するのである。
わたしを、見てしまったことを。