case2・おつかれさま

文字数 6,787文字

 本物だと噂される占い師がいるという新宿歌舞伎町に俺は来ていた。迷路のような裏路地を抜け、ぽつんと不自然に開いた空間に建っている家に辿り着く。ビルで日差しが遮られ薄暗かった路地裏と違い、太陽の光が燦々と降り注いでいるその家はまるで光り輝いているみたいだ。なんとも気にくわない。舌打ち一つして俺は敷地内に入った。
ドアに備え付けられたインターホンを鳴らす前に、ドアが開かれる。大柄な男がじっと俺を見下ろしていた。高身長の堅気には見えない男……こいつが「助手」か。

「いらっしゃいませ。中へどうぞ」


 それだけ言って助手の男は家の中に引っ込んだ。噂通り、俺が……いや、客が訪れることをわかっていたみたいだな。ここなら、俺の望みを叶えてくれるだろう。自分でも浮き足立ってるのがわかる。今にも踊り出したいくらいの気持ちを抑え、助手の後に続いて廊下を歩いた。
廊下の最奥にあるドアの前で助手は立ち止まる。この奥に占い師がいるということか。はやる気持ちを抑え、開けられたドアの奥、薄布に仕切られた室内へと足を踏み入れる。ふわりと香るこれはアロマか?

「いらっしゃい」

 声を掛けられてハッとそちらを見ると、人形の様に顔が整った男がソファに座っていた。長い睫に縁取られた、意思の強そうな垂れ目で彼は俺を見つめる。じっと見つめてくる焦げ茶の瞳は、俺の深部まで見透かすようで居心地が悪い。

「アナタがここの店主ですか?」

「そうなるな。ご要望はなんだ?占い?それとも除霊か?」

「呪いたい奴らがいるんです」

「はぁ?」

 心底訝しげに店主は俺に聞き返す。そんなにおかしな事を言っただろうか?掲示板の書き込みからで呪いも請け負ってくれると聞いていたんだが。もう一度、呪って欲しいと伝えると占い師はうんざりといった風に溜息をついて、ソファに深く座り直した。

「来て貰って申し訳ねぇけど、うちはあくまで占い屋で呪いは門外漢……つうかお門違いだな」

「そんな……呪ってくれるって聞いたのに……」

「そもそもだ……占い屋が呪いまで請け負うのはおかしいって思わなかったのかよ?」

 どこか困った様に占い師は言葉を重ねる。言われてみれば確かにそうだ……。なんでなんの疑問も持たずに来てしまったんだろう。ああ、どうしよう。俺はどうしてもやらないといけないことがあるのに。絶望とはこの事か……。
がっくりとうなだれて、俺は部屋を出ようと占い師に背中を向ける。仕方ない、自分でどうにかするしかない……。

「変なお願いしてすみません……さっきの依頼は忘れてください」

「……アンタ、本当に人を呪う覚悟があんのか?」

「え?」

 振り返った俺を見つめる占い師の瞳は透き通るような青い色をしていた。さっきまで、なんの変哲もない焦げ茶の瞳だったはずなのに。本当に不思議な人だ。宝石の様な青い瞳は俺の真意を測ろうとしている様に感じる。俺を試そうとしてるなら試せばいい。俺もまっすぐ占い師を見つめ返した。すると、占い師は片方の口角をあげてニヒルに笑う。

「なるほど、覚悟は本物って訳だ」

「じゃないとここに来ていないです」

「そらそーだわ。何で呪いたいかとかは俺が知るところじゃねぇから聞きはしないけどよ……」

 そう言いながら、占い師は胸ポケットから取り出した名刺の裏にペンを走らせた。すっと俺に向けて占い師は名刺を差し出す。受け取った名刺の裏には、簡易的な地図と独特な丸文字で『Limbo』という英文と『矢代』という名前が書かれていた。

「これは……?」

「ここの店に行くと良い。店主にこの名刺を渡したらアンタの望みを叶えてくれるだろーよ」

 それだけ言って占い師は微笑んで、ぱちんと指を鳴らす。それが合図らしく、助手が室内に入ってきた

「お客様のお帰りだそうだ」

「玄関までご案内します」

「え……あ……ありがとうございます」


 うまくいくと良いなぁ?


 ドアが閉まる寸前、占い師が意味深に呟いた言葉が聞こえたーー。










「ここ、だよな?」

 あの後、占い師の家を出て地図を元に歌舞伎町の一角にやってきた。そこは元長屋だった建物を改装したらしい雰囲気の店だった。古ぼけたすり硝子の引き戸の上には『Limbo』と書かれた看板が掲げられている。
リンボ……たしか辺獄って意味だったはず。なんでそんな物騒な名前を店に付けてるんだろうか。
うん、間違いなくここだ。……悩んでいても仕方ない!ええい、ままよ!!
ガラリと引き戸を開けると、店内には天井まで届く本棚がいくつもあって迷路のようになっていた。鼻を擽る古書独特の匂いに、ここは古書店だとわかる。

「あのー誰かいませんか……?」

「はい?」

「うわ!!」

 目の前の本棚の奥から、にゅっと人影が現れて思わず叫び声を上げてしまった。現れたその人は驚いた俺を見て不思議そうに小首を傾げた。そして、ふわりと口角を上げ微笑んで俺を見下ろした。

「申し訳ありません、驚かせるつもりは無かったのですが……」

「あ、いえ……俺の方こそびっくりしてすみません」

 ひょろりとした長身に、ふわふわの癖毛の黒髪を緩いハーフアップにまとめた目の前の男性はとても柔らかい雰囲気を持っている。この人がここの店主だろうか?

「あの、アナタが矢代さんですか?」

「はい、そうですが貴方は……?」

「これ……あの……えっと」

 しどろもどろになりながら、占い師から渡された名刺を差し出す。その瞬間、矢代さんの纏う雰囲気がガラリと変わった。受け取った名刺をじっと見て……見てるんだよな? 古びた黒縁眼鏡の奥の瞳は、細目で開かれているのかが判断がつかない……。臙脂色のエプロンの裾を翻し俺の横を通り過ぎた矢代さんは、引き戸に掛けられた札を『close』に裏返す。

「こちらへどうぞ」

 そう言って矢代さんは本棚の迷路を進んでいく。何度も何度も曲がって進んで、ぐるぐると回って……おかしい、いくらなんでも入り組みすぎじゃないか?
まるで空間が歪んでるみたいだ。不安になる俺なんて構わず、矢代さんはどんどん進んでいく。そして辿り着いたのは本棚に囲まれた一角だった。そこには一人掛けソファが二脚テーブルを挟んで並んでいる。矢代さんは当然の様に奥のソファに座った。

「お座りください」

「あ、はい」

「改めまして……僕は『Limbo』の店主……そして、怨み屋の矢代司です」

「怨み屋……?」

「ええ、お客さんはケイ君からの斡旋でこちらにいらしたんですよね?お話お聞かせください」

 矢代さんに促されるまま、気付けば俺はすべてを吐き出していた。
不思議な駅に迷い込んだこと、それを掲示板に上げたら嘘つき呼ばわりされたこと、死ぬほど恐ろしい思いをしたのに誰にも助けてもらえず道化扱いされたのが憎くて、あいつらに復讐したいこと。
すべて、すべて吐き出していた。
俺の話を聞いた矢代さんはふむ、と頷いた後に掛けていた黒縁眼鏡を外した。そして、閉じられているように見える瞳を開く。俺に向けられる瞳は真っ黒だった。どんな光も通さない、感情も読めない、闇のような瞳にぞっとする。怯える俺に気付いたらしい矢代さんはふっと柔らかく笑った。

「お話いただいてありがとうございます。どんなに恐ろしかったでしょう、悔しかったでしょう、憤ったことでしょう。僕は、貴方の力になります」

 大きくて骨ばった手でぎゅっと手を包まれた。矢代さんの手は、一切の温もりが無い。かといって冷たいのか、と聞かれるとそうじゃない。ただただ熱を感じないんだ。
この人、本当に『人』なのか……そんな疑念が胸に沸いた。いや、もし矢代さんが人間じゃないとして、それがどうした?
俺の力になってくれるなら願ったり叶ったりじゃないか。俺も、矢代さんの手を握り直し、闇色を真っ直ぐに見つめ返した。
いいさ、復讐のためなら悪魔にだって魂を売ってやる。

「いい瞳です。奥底に煮えたぎるような憎しみをひた隠している、とても、とてもいい瞳です」

 貴方に必要な『呪い』を授けましょう。


 矢代さんはそう言って、また瞼で闇色を隠して眼鏡をかけ直す。本棚から一冊の本を取り出した。古ぼけた本のページをペラペラと捲り、あるページを俺に見せる。そこには漢字が羅列されていた。

「これは?」

「簡易的な呪詛です。やり方をお教えいたします」

 矢代さんが教えてくれたやり方はとても簡単で、本当にこれで人を呪えるのか?と不安になるモノだった。
でも、今の俺にはこの呪詛に縋るしかない。必死にやり方を頭に叩き込む。

「以上がやり方です」

「ありがとうございます!これであいつらに目にもの見せられます」

「ああ、一つご忠告を……僕の教える呪いは手順を守りさえすれば、自分に反ってくることはありません。しかし、手順を守らなかったり、余計な事をすると何倍にもなって反ってくるのでお気をつけて」

「はい、わかりました!!ありがとうございます!」

「お気をつけてお帰りください」

 掌で背後の入り口を示される。矢代さんは立ち上がる気配がない。あの迷路は流石に一人で攻略できないと思うんだけど。なんて思いながら振り返ると、通ってきたはずの本棚の迷路なんて無くて、通路から入り口が見えた。

「……お邪魔しました」

「今度はこちらではなく、古書店の方にいらしてくださいな」

「はは、そうですね」

「お客様」

 僕の忠告を努々お忘れ無きよう……。

 にこりと微笑む矢代さんの笑顔が……空間が歪んで、気付いたら俺は靖国通りに面した路地に立っていた。あまりの事に狐に抓まれた様な気がするけど……。ポケットには呪詛が書かれた紙が入っていた。











『この画像は絶対に見てはいけません』


1:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:00:00 ID:tMgfXeeFyc
ttp://syujyousaido-mayoihituji/ schau-nicht-hin /case002.jpg
絶対見てはいけません。

2:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:04:13 ID:D5ZhMnbeN3
うわ、なんだこれ

3:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:07:55 ID:U4WlZdQlTP
鬼気迫るものがありますな

4:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:12:06 ID:LGu6lFIJjs
なんで顔がないの?

5:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:17:49 ID:ADLCkSvHgU
ていうか見ちゃいけないモノを貼るんじゃねぇよ

6:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:21:16 ID:GBw98GKkNV
>>5
言えてる

7:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:24:45 ID:0SOzGiBFzl
みたら呪われる画像だったりして~

8:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:30:20 ID:BKZpzpSjsH
まさか!不気味だけどただの雛人形だろ

9:1 2019/11/9 1:35:55 ID:tMgfXeeFyc
【画像を見てしまった方へ】
供養させて頂きますので、次の準備をして下さい。

コップ一杯の水を用意して下さい。
用意できたところで呼び出してください。

10:1 2019/11/9 1:40:32 ID:tMgfXeeFyc
供養をしなければ、皆様の身に災いが降りかかるでしょう。
当方は真剣に考えております。

11:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:44:25 ID:BRMRBNsF2w
>>1さん
用意できました

12:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:49:00 ID:hPgtnXtwZD
>>11さん
では、供養します。

室内の灯りを消してください。
電気を消していただいた時点で供養を開始いたします。
準備ができましたら、またお呼び出し下さい。

13:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 1:53:44 ID:pzEuYWq3mx
>>1さん
水の用意が出来ました

14:11 2019/11/9 1:58:07  ID:BRMRBNsF2w
>>1さん
消しました

15:1 2019/11/9 2:03:28  ID:tMgfXeeFyc
>>11さん
>>13さん
昇抜天閲感如来雲明再憎
昇抜天閲感如来雲明再憎
昇抜天閲感如来雲明再憎

16:1 2019/11/9 2:07:18  ID:tMgfXeeFyc
>>11さん
>>13さん
すぐにコップの水を飲んでください。

17:13 2019/11/9 2:12:07 ID:pzEuYWq3mx
飲みました

18:11 2019/11/9 2:17:42 ID:BRMRBNsF2w
飲みました!

19:1 2019/11/9 2:22:13 ID:tMgfXeeFyc
以上で供養は終了です。
邪念は取り払われました。
おつかれさまでした。

20:11 2019/11/9 2:26:30 ID:BRMRBNsF2w
意外とあっさりなんですね
ありがとうございます

21:13 2019/11/9 2:30:02 ID:pzEuYWq3mx
>>1さんのおかげで助かりました

22:1 2019/11/9 2:34:25 ID:tMgfXeeFyc
お二人のお力になれて光栄です。

23:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 2:38:13 ID:gcTcrszON9
>>1さん
俺も用意できた

24:1 2019/11/9 2:43:43 ID:tMgfXeeFyc
>>23さん
では、供養させていただきます。


その後も画像を見てしまった住人達の供養をする書き込み主。最後の一言に必ず「おつかれさまでした」と添えて。
見てはいけないとする画像を貼ったのも「邪念を取り払うため」と書き込み主は語る。


118:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 9:44:40 ID:yFL7NCByO4
なあ、これ明らかに質の悪い呪いだよな?

119:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 9:49:04 ID:CJ2jW4hoxS
>>118
やっぱりそう思うよな?「呼び出してください」だの「供養」だの
それに呪文みたいなのにも「再憎」とかあるし

120:1 2019/11/9 9:52:20 ID:tMgfXeeFyc
>>118さん
>>119さん
そのように思うことこそが邪念を持っていらっしゃる証拠です。
そのままではあなた方の身によろしく無いことが起きます。

121:119 2019/11/9 9:56:07 ID:CJ2jW4hoxS
>>1
むしろお前の言う通りにした方がよくないことが起きそうなんだけどな

122:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 10:01:18 ID:UwQ9yHCqAQ
>>121
どういうこと?

123:1 2019/11/9 10:06:18 ID:tMgfXeeFyc
>>119
言いがかりはやめていただきたい。
私はちゃんと修行を積み、邪念を克服しました。
あなたとは違うのです。

124:118 2019/11/9 10:11:18 ID:yFL7NCByO4
そんなこと言ってる時点で邪念を克服できてないっての

125:1 2019/11/9 10:15:41 ID:tMgfXeeFyc
>>118
取り消してください。
今すぐ、取り消しなさい。
私は本物です。本当に力があるのです。

126:lim 2019/11/9 10:21:36 ID:oh7BTfC1KF
>>1
お見苦しいですよ。もう潮時では?

127:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 10:27:31 ID:RPuAaWFt3W
お、なんだなんだ?

128:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 10:32:03 ID:wuTT5Iil1m
lim……リム?

129:1 2019/11/9 10:35:43 ID:ID:tMgfXeeFyc
あなたはまさか……。

130:lim 2019/11/9 10:40:46 ID:oh7BTfC1KF
>>1
僕の言いつけを守りませんでしたね。
余計なことをするなといいましたのに。
これで穴二つでは済まなくなりました。

昇抜天閲感如来雲明再憎
昇抜天閲感如来雲明再憎
昇抜天閲感如来雲明再憎

お憑かれさまでした。

131:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 10:45:23 ID:MXfQkfe7Sq
え、なに?

132:ほんまにあった怖い名無し 2019/11/9 10:49:55 ID:GsoEXdbPQ4
おつかれさま=お憑かれさまってこと?

133:lim 2019/11/9 10:53:26 ID:oh7BTfC1KF
皆様、お騒がせいたしました。
もう1さんも浮上されないと思います。
それでは皆様、良い一日をお祈り申し上げます。
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登場人物紹介

ケイ

歌舞伎町にある占い店「Erlosug」の店主。

誰もが認める絶世の美形で、人形のようだと形容される容姿を持つ。

拠点が歌舞伎町ということもありしばしばホストと間違われることも。

その美しい容姿からは想像できないが、非常に口が悪く、態度もデカい。

占い師としての腕は確かなもので、顧客には国会議員もいるようだ。


怪異を『視る』目を持っており、その力を使うときは瞳がパライバトルマリンのような色に変わる。

タカラ

歌舞伎町にある占い店「Erlosug」の従業員。

自他共に認めるケイの助手でもある。

主な仕事は顧客の出迎えと見送り、そして不思議な力を持つハーブティーの調合。

高身長で体格も良いため、初対面の相手を威圧してしまいがち。

ケイはホストに間違われるが、タカラは反社会的勢力に間違われることが多い。


怪異を『祓う』力を持っており、その能力をケイの元で存分に発揮している。

矢代 司[やしろ つかさ]

歌舞伎町の裏路地にある古書店「Limbo」の店主。

いつも柔和な笑顔を浮かべており、物腰も柔らかい。

眼鏡の奥の瞳は細く閉じられているように見えるがちゃんと視認はできているようだ。

彼が営んでいる古書店はいつも閑古鳥が鳴いてるが、生計は『裏』の商売で賄っているとののこと。


裏の顔は数多の『呪い』や『呪物』を取り扱い、怨みを持つ依頼人へ授ける『怨み屋』である。

眼鏡と瞼で隠された瞳は闇の様に真っ黒で、なんの感情も映さない。

キョウ

歌舞伎町にあるパワーストーンとハーブの店「Fate」の店主。

長い三つ編みにした赤髪とエメラルドグリーンの瞳を持つ麗人。

男性にも女性にも見える容姿をしており、ヴィジュアル系バンドマンのような黒い衣服を好んで着ている。メイクも黒系の物で統一している。

近寄りがたい見た目に反し、とても優しく温厚な人柄なため一定数の常連がいるらしい。


その見た目から魔女だと噂されているが、実は的を射ているため本人は面白がっている。

師匠

歌舞伎町の路上で商いをしている易者。

いかにも冴えない感じに見えるが、易者としての腕は確かな物。

本名は無名だが、歌舞伎町の住人からは『師匠』と呼ばれ親しまれている。

大体の客は競馬などのギャンブルの結果を聞きに来るダメな大人ばかりだが、師匠本人は気に留めてすらいない。


易者としてだけでなく、祓い屋としての実力も中々な物。

???

ケイの守護者。

8歳くらいの幼子に見える。

色素の薄い髪とケイと同じパライバトルマリンの瞳を持つ。

年相応の無邪気さがあるが、時折見た目にそぐわない言動をすることも。

大体はケイのそばで、助言や警告を与える。

ケイを手玉に取ることができる数少ない人物。


なにやらケイの瞳と関係性があるらしいが、詳しいことは誰も知らない。

八重

下北沢発のバンド「Schleier」のボーカル。

中性的な見た目と声を持つ青年。

霊的な物は全く感じない、視えないという零感人間。

しかし怪異からするとひどく魅力的に見えるらしく、定期的に巻き込まれている。

メジャーデビューを予言したケイを信頼しているようだ。


なぜか神の使いである白い狐に守護されている。

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