第3話 【映画評】憑依の宴(2021.12.17記)

文字数 874文字

【東京ドキュメンタリー映画祭2021の上映作品です】

1.作品データ

題名;憑依の宴(副題)ジャワ島のジャティラン
監督;金子遊
制作;2021年
上映時間;15 分

2.映画祭の資料より

[内容紹介]
ジャワ島の東部には、ジャティランと呼ばれる馬踊りの憑依芸能がある。村の結婚式や割礼式など特別なときに開催され、農家や労働者など貧しい若者が踊り手をつとめる。ガムランやゴングから成る楽隊の演奏にあわせて踊るうちにトランスし、青年たちは祖霊や森の動物霊に憑依される。パワンと呼ばれるシャーマンたちが、憑依された少年たちをひとりひとり悪魔祓いする。一説には、60年代のスハルト独裁による圧制下で、民衆がストレスを発散するために広まった芸能といわれる。

[監督のことば]
はじめて現地調査したときは驚きました。華美な衣装で、隊列を組み、踊っていた若者たちが、眼の前で一斉に失神してトランス状態に。精霊に憑かれて、ある者は見事に舞い、ある者はシャーマンに鞭打たれても平気な様子。犬やカエルの霊に憑依されて飛び跳ねる者がいれば、豚の霊のせいでスイカをバカ食いする者もいる。それを見てゲラゲラと大笑いする見物人たち。所属する芸術人類学研究所で、この魅力的な憑依芸能を研究することに決め、最初にできた成果物がこの映像作品です。

[監督プロフィール]
金子遊
批評家・映像作家。著書に『光学のエスノグラフィ』(森話社)ほか多数。近作に、タイとラオスの森のなかで遊動民の現在を追った長編『森のムラブリ』(2019年)、東ヒマラヤの高地で観光化される少数民族の姿を記録した短編『アルナチャール人類博覧会』(2020年)など。当映画祭プログラム・ディレクター。

3.兎平亀作の意見です

醜悪さしか感じなかった。
これを憑依芸能と言うなら、日本のストリップや地下プロレスだって、立派な文化遺産だ。

もちろん、芸能に差別や暴力はつきものだ。
一時期のたけし軍団の凶暴さは、本映像どころじゃなかった。

どんな芸能にも芸術にも、聖と俗の二面性があるが、ジャティランの持つ精神性が私の目には見えなかった。残念である。
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