宇宙人
文字数 2,593文字
100年以前に震災が起きた。
暗闇の中の50mの強大な竜巻の風が渦巻いていてその中心にいる精は浮いたままたった一枚の札を持ち。
ひたすら、輝き続ける左人差し指に念術を込めながら思う。
「 守って 」
ブラウン管は白黒でその上で映し出されたのはとある田舎の光景で一人、宙に浮かんだ日本の純和風な着物を着た少女が竜巻の渦の中心で瞼を閉じて何かを念じている姿だった。
リアルタイム放送中
昭和32年の頃
「 この少女は何者だ? 」
「 さあ?特撮か何かじゃないですか 」
その判断は分かり切っている事だがそれでもブラウン管に映し出されているものが信じられなかった。
東京、警視庁
それもそのはずで、この映像は、
「 放送は生放送の外風景を撮っている最中だと言っていたが、、違うのか 」
その見える緊迫感のある姿から大塚刑事はもう一度繰り返す。
「 この少女は何者だ 」
電車が走る中でそのコート姿を羽ばたかせながらも青く大空が見える中で、
美科は電車の上の面に引っ付いていた。
「 おまえら、宇宙人ども!これ以上の不埒な行いは許せん! 」
目の前には美科より身長の高いそれこそ未来的なデザインをした肩から全身を覆うような銀色のコートを羽織っている顔の見えない「イヤ、顔は見えているのだがその顔も縦に異様に長い三角形型をしていて。
「 止めなさい。これ以上の戦いに私は望みません 」
美科が言う。
「 それが、大正12年9月1日に関東大震災を起こした貴様らの言い分か! 」
「 それは仕方なかったのだ。我々とて日本政府が私の要求を撥ねつけなければ 」
「 うるさい! 」
「 このような地震の参事には 」
その言葉を言うかの前に美科は宇宙人の懐に飛び込む。
宇宙人の姿は微かにブレて消えてゆこうとしたが態勢を屈ませた美科に固定された。
美科は一瞬、そのひし形の首根っこを掴むのだが、
「 ふっ、終いだな 」
力を入れる。
そう言うかと同時に宇宙人の首を腕力でねじ切る。
走る電車の屋上の中で首が引き千切れた。
同時に宇宙人の切断された首から緑色の(血だろうか)体液が噴き出し。
美科が言う。
美科が屈ませた態勢から立ち上がるそれでも電車は時速30kmで走っていた。
「 さあて、わたしもこいつを仕留めたならここから退散だな 」
彼がカンカンカンと鳴り始めた電車からコートを羽ばたかせながらも大きくジャンプする。
電車内にはその宇宙人との闘いを見るものも気づくものもいなかった。
「きゃっ!!??」
美科は言った。精の着物の胸ぐらを掴み込み、
「どうしてあの時、すべての宇宙人を殺さなかった?」
無慈悲にも言う。
「日本の国民を犠牲にしてもだ!!」
「それは、、、、」
精は顔を悲痛に歪ませながらも、
「わたしにはそんな。民間人までを犠牲にしてまでもできなかったのよっ!!」
それは、
「日本の国土を丸ごと焦土に化すなんてのは」
それは精が以上な何らかの能力を内に秘めているという事なんだろう。
「日本の国土など。地球全土からして見ればちっぽけなもんだろうが」
「それは理屈だわ。日本にも人が住んで生きているのよ!」
「ふんっ!それはあまちゃんの理由だな」
美科が胸ぐらを掴んだ精をビルの中で壁に向かい放り投げた。
「我々の掟を忘れたとは言わせんぞ。首領の命令は絶対だということは、それが忍法を使うものとしての絶対の掟だ」
そして言う。
「自分の命が惜しくなったか。精」
「それは、、」
言う。
「違うわ!そんなわたくしの命など易いもの」
精は少し歯を噛み込んで泣いていた。
「ならば、、、」
美科はあくまでも全ての宇宙人殲滅を優先しているようだ。
「おれが日本の活火山にまで能力を使い。穴を掘る、そしてお前はその時に生命力の全てを掛けてその穴にエネルギーを叩き込め」
その時、美科は精に近づいて膝を折り曲げて側に居た。そして、あからさまに見降ろし見下してもいた。
「ふん、やはり。なにを言ったとしても無駄か、根性無しが」そして、ちっと吐き捨て。
「お前のお守など、ご免だ、が」
さらに泣く精にさらに顔を近づけて。
「これも首領の命でな。お前の行末を見る事も」
「お前も、、、分かっているはずだ。それは」
「わかっているわ。あの時、わたしが里の全てをわたしが焼き払った!わたしの能力が暴走して宇宙人も滅亡しかけたのをわたしが躊躇して能力の発動を抑えさえしなければ、でも」
「杏の事か」
美科は立ちブラウンのコートの襟を正しながら言う。
精はさらに何か思いだしたような表情でさらに泣き。
「ううっ」
美科はさらにちっと吐いた。
「どこまでも、甘ちゃんが」
1年程まえ、
三重県伊賀ではある出来事が起きて。
杏という少年がとある何者かに殺された。そして、初めて。
精の能力が発動した、
「杏ちゃん!」
それは伊賀の里を吹き飛ばす程に、
精、自身でも止められなかった。
その竜巻の渦に居る中心で精自身が自分の身を滅ぼしてでも、と確信したが、
はっと気が付いた。
昨日まで知っている人々は自分のエネルギーによって、、、
そして、
ー ごめんなさい! ー
それが、1年前の日に彼女の身に起きた事
当時にその光景は大日本東京局でTVのブラウン管画面にお茶の間にまで放送され。
問い合わせは当時の家電の普及の上昇もあって人々からの問い合わせ。それは自衛隊にまで新たな戦争の光景ではないかと各省庁まで動く程だった。
そして、正式な発表にはそんな放送は無かったと。やや強引ななぜか大日本東京局での謝罪があり、それでも世間は納得しなかったが、
その時、美科は精とは別行動で街中にいる時だった。
電車に乗る為の地下の駅構内で宇宙人である3つの存在と出くわした。
ー しまった! ーと美科は思う。
しかし、人前であろうが戦わなくてはならない。
が、自分の存在が公化されれば伊賀の長との掟と反するし戦いづらい事この上ない。
それは日常生活であろうが、
それはー 公の権力者連中ともコンタクトを取らねばならないだろうし、、、 ー
考える
ー どうする ー
3つの存在は近づいてくる。
それでも駅構内にはひとけが無い事が幸いした。
ー 地下に潜る、か ー
美科が足元のコンクリートに指を立てて突き刺す、コンクリートが一瞬でひび割れて。
次の瞬間には駅構内のある一画にはぽっかりと穴が開き。
土の中を掘り進める。
美科は逃げた。
その騒ぎが収まらない日々にそれが、
東京、上空
同時刻に大阪都市である上空にも、
昼間、午前12時にそれが起きた。
暗闇の中の50mの強大な竜巻の風が渦巻いていてその中心にいる精は浮いたままたった一枚の札を持ち。
ひたすら、輝き続ける左人差し指に念術を込めながら思う。
「 守って 」
ブラウン管は白黒でその上で映し出されたのはとある田舎の光景で一人、宙に浮かんだ日本の純和風な着物を着た少女が竜巻の渦の中心で瞼を閉じて何かを念じている姿だった。
リアルタイム放送中
昭和32年の頃
「 この少女は何者だ? 」
「 さあ?特撮か何かじゃないですか 」
その判断は分かり切っている事だがそれでもブラウン管に映し出されているものが信じられなかった。
東京、警視庁
それもそのはずで、この映像は、
「 放送は生放送の外風景を撮っている最中だと言っていたが、、違うのか 」
その見える緊迫感のある姿から大塚刑事はもう一度繰り返す。
「 この少女は何者だ 」
電車が走る中でそのコート姿を羽ばたかせながらも青く大空が見える中で、
美科は電車の上の面に引っ付いていた。
「 おまえら、宇宙人ども!これ以上の不埒な行いは許せん! 」
目の前には美科より身長の高いそれこそ未来的なデザインをした肩から全身を覆うような銀色のコートを羽織っている顔の見えない「イヤ、顔は見えているのだがその顔も縦に異様に長い三角形型をしていて。
「 止めなさい。これ以上の戦いに私は望みません 」
美科が言う。
「 それが、大正12年9月1日に関東大震災を起こした貴様らの言い分か! 」
「 それは仕方なかったのだ。我々とて日本政府が私の要求を撥ねつけなければ 」
「 うるさい! 」
「 このような地震の参事には 」
その言葉を言うかの前に美科は宇宙人の懐に飛び込む。
宇宙人の姿は微かにブレて消えてゆこうとしたが態勢を屈ませた美科に固定された。
美科は一瞬、そのひし形の首根っこを掴むのだが、
「 ふっ、終いだな 」
力を入れる。
そう言うかと同時に宇宙人の首を腕力でねじ切る。
走る電車の屋上の中で首が引き千切れた。
同時に宇宙人の切断された首から緑色の(血だろうか)体液が噴き出し。
美科が言う。
美科が屈ませた態勢から立ち上がるそれでも電車は時速30kmで走っていた。
「 さあて、わたしもこいつを仕留めたならここから退散だな 」
彼がカンカンカンと鳴り始めた電車からコートを羽ばたかせながらも大きくジャンプする。
電車内にはその宇宙人との闘いを見るものも気づくものもいなかった。
「きゃっ!!??」
美科は言った。精の着物の胸ぐらを掴み込み、
「どうしてあの時、すべての宇宙人を殺さなかった?」
無慈悲にも言う。
「日本の国民を犠牲にしてもだ!!」
「それは、、、、」
精は顔を悲痛に歪ませながらも、
「わたしにはそんな。民間人までを犠牲にしてまでもできなかったのよっ!!」
それは、
「日本の国土を丸ごと焦土に化すなんてのは」
それは精が以上な何らかの能力を内に秘めているという事なんだろう。
「日本の国土など。地球全土からして見ればちっぽけなもんだろうが」
「それは理屈だわ。日本にも人が住んで生きているのよ!」
「ふんっ!それはあまちゃんの理由だな」
美科が胸ぐらを掴んだ精をビルの中で壁に向かい放り投げた。
「我々の掟を忘れたとは言わせんぞ。首領の命令は絶対だということは、それが忍法を使うものとしての絶対の掟だ」
そして言う。
「自分の命が惜しくなったか。精」
「それは、、」
言う。
「違うわ!そんなわたくしの命など易いもの」
精は少し歯を噛み込んで泣いていた。
「ならば、、、」
美科はあくまでも全ての宇宙人殲滅を優先しているようだ。
「おれが日本の活火山にまで能力を使い。穴を掘る、そしてお前はその時に生命力の全てを掛けてその穴にエネルギーを叩き込め」
その時、美科は精に近づいて膝を折り曲げて側に居た。そして、あからさまに見降ろし見下してもいた。
「ふん、やはり。なにを言ったとしても無駄か、根性無しが」そして、ちっと吐き捨て。
「お前のお守など、ご免だ、が」
さらに泣く精にさらに顔を近づけて。
「これも首領の命でな。お前の行末を見る事も」
「お前も、、、分かっているはずだ。それは」
「わかっているわ。あの時、わたしが里の全てをわたしが焼き払った!わたしの能力が暴走して宇宙人も滅亡しかけたのをわたしが躊躇して能力の発動を抑えさえしなければ、でも」
「杏の事か」
美科は立ちブラウンのコートの襟を正しながら言う。
精はさらに何か思いだしたような表情でさらに泣き。
「ううっ」
美科はさらにちっと吐いた。
「どこまでも、甘ちゃんが」
1年程まえ、
三重県伊賀ではある出来事が起きて。
杏という少年がとある何者かに殺された。そして、初めて。
精の能力が発動した、
「杏ちゃん!」
それは伊賀の里を吹き飛ばす程に、
精、自身でも止められなかった。
その竜巻の渦に居る中心で精自身が自分の身を滅ぼしてでも、と確信したが、
はっと気が付いた。
昨日まで知っている人々は自分のエネルギーによって、、、
そして、
ー ごめんなさい! ー
それが、1年前の日に彼女の身に起きた事
当時にその光景は大日本東京局でTVのブラウン管画面にお茶の間にまで放送され。
問い合わせは当時の家電の普及の上昇もあって人々からの問い合わせ。それは自衛隊にまで新たな戦争の光景ではないかと各省庁まで動く程だった。
そして、正式な発表にはそんな放送は無かったと。やや強引ななぜか大日本東京局での謝罪があり、それでも世間は納得しなかったが、
その時、美科は精とは別行動で街中にいる時だった。
電車に乗る為の地下の駅構内で宇宙人である3つの存在と出くわした。
ー しまった! ーと美科は思う。
しかし、人前であろうが戦わなくてはならない。
が、自分の存在が公化されれば伊賀の長との掟と反するし戦いづらい事この上ない。
それは日常生活であろうが、
それはー 公の権力者連中ともコンタクトを取らねばならないだろうし、、、 ー
考える
ー どうする ー
3つの存在は近づいてくる。
それでも駅構内にはひとけが無い事が幸いした。
ー 地下に潜る、か ー
美科が足元のコンクリートに指を立てて突き刺す、コンクリートが一瞬でひび割れて。
次の瞬間には駅構内のある一画にはぽっかりと穴が開き。
土の中を掘り進める。
美科は逃げた。
その騒ぎが収まらない日々にそれが、
東京、上空
同時刻に大阪都市である上空にも、
昼間、午前12時にそれが起きた。