第一話

文字数 152文字

雪が解け
一つの流れを作り
麓の川に達しようとしている

腹を空かせた獣が
その音で目を覚まし
巣穴からぬらりと出てきた

時は来たれり

木々の枝には
暖かな陽光に誘われ
新芽が思わず顔を出す

その先
実るは
成功か 失敗か 
抵抗か 降伏か

道端では
小さなツクシが
人混みに揉まれながら
妙にそわそわと風に揺れている

春が芽吹こうとしている

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