第3話 十人十色趣味無限
文字数 1,245文字
葉月によると、趣味は全ての根源であり、
ありとあらゆる物事を解決するらしい。
前も言ったが、僕には今まで趣味なんてものはなかったから
「それは誇張しすぎだろ」 なんてことは言えない。
「そんじゃオウガくん。まずは何から始めましょか?テニス?絵画?料理?盆栽?
あぁ、プラネタリウムもえぇなぁー」
「ちょっ、そんなにいっぱいは出来ないって!」
「なんでや?趣味はいくつあってもえぇん
やで?」
「俺の関西弁も趣味やし、 趣味は自由や」
「それ趣味だったのか…」
というか、カウンセラーが趣味なんじゃないのかよ、と言うと「だから、それも趣味や」と言われた。 趣味はいくつあってもいい…その意味も関西弁が趣味になる心理も今の僕には分からなかったけど。
「まぁ、メジャーなとこで言うとここら辺やな」
そう言って葉月はゴソゴソと鞄からノートを取り出し、はい!と渡してきた。
“趣味ノート” 綺麗な字でそう書かれていた
字が上手いのか、それは意外だ。
ちょっと失礼な事を思いながら僕はパラパラとノートをめくった。 これまた文が綺麗に整理されていて、途中途中で挟まれる挿絵は僕のより遙かに上手い。
なんとなく葉月を見ると、今までのように憎たらしくニヤニヤとこちらを伺っていた。
僕は自分の気持ちを上手く言語化できる方ではないが、今僕が手に持っているものと目の前にいる男がどうにもイコールで繫がらないこの状況は非常に不愉快であるといえる。
「2ページ目、開いてみ?趣味初心者向けの趣味一覧が書いてあるから」
趣味初心者、趣味一覧、気になることはあるが、それはまた別の機会にしよう。
言われた通りにすると 案の定、2ページ目も変わらず綺麗な字で分かりやすくまとめてあった。
「インドアとアウトドアで分かれてるけど、インドアって何?」
しまった、馬鹿にされる と思ったが、存外葉月は小馬鹿にすることなく、 「家の中でするって意味やで」 と教えてくれた。
インドア派には、料理やテラリウム、パッチワークに筋トレと言った僕でも理解できるものがかいてあった。ただー…
「メイクは…女限定なんじゃないのか?」
「そんな事はない!」
またズイッと顔を寄せてくる。近いんだよなこいつ
…ん?、待てよ 「葉月、それ…」
「くふふふ、におうてるやろ?うっすらやけど俺に合うメイクしてるんや。 毎日しとる訳やないからお宅ラッキーやで?」
気づかなかった。 さっきも顔を寄せられたけど、メイクの話がでるまでまったく。 それだけ違和感がないってことか。 いやでもこいつ髪長いし…
「短髪ボーイにも似合うメイクはあるで?
良かったら君で実戦したろか?」
僕の心を読むなよ
「いやいい、大丈夫」
「そりゃ残念、じゃあ、ノートに書いてあるやつから片っ端にやってこっか。
まずはボードゲームやで!」
「おい!そんなのどこに書いてっ!おいおい引っ張るな!」
こいつは多分、典型的な変人だ。 今からノートにも書いてない予定をバシバシまわされるのかと思うと、頭が痛くなった。
ありとあらゆる物事を解決するらしい。
前も言ったが、僕には今まで趣味なんてものはなかったから
「それは誇張しすぎだろ」 なんてことは言えない。
「そんじゃオウガくん。まずは何から始めましょか?テニス?絵画?料理?盆栽?
あぁ、プラネタリウムもえぇなぁー」
「ちょっ、そんなにいっぱいは出来ないって!」
「なんでや?趣味はいくつあってもえぇん
やで?」
「俺の関西弁も趣味やし、 趣味は自由や」
「それ趣味だったのか…」
というか、カウンセラーが趣味なんじゃないのかよ、と言うと「だから、それも趣味や」と言われた。 趣味はいくつあってもいい…その意味も関西弁が趣味になる心理も今の僕には分からなかったけど。
「まぁ、メジャーなとこで言うとここら辺やな」
そう言って葉月はゴソゴソと鞄からノートを取り出し、はい!と渡してきた。
“趣味ノート” 綺麗な字でそう書かれていた
字が上手いのか、それは意外だ。
ちょっと失礼な事を思いながら僕はパラパラとノートをめくった。 これまた文が綺麗に整理されていて、途中途中で挟まれる挿絵は僕のより遙かに上手い。
なんとなく葉月を見ると、今までのように憎たらしくニヤニヤとこちらを伺っていた。
僕は自分の気持ちを上手く言語化できる方ではないが、今僕が手に持っているものと目の前にいる男がどうにもイコールで繫がらないこの状況は非常に不愉快であるといえる。
「2ページ目、開いてみ?趣味初心者向けの趣味一覧が書いてあるから」
趣味初心者、趣味一覧、気になることはあるが、それはまた別の機会にしよう。
言われた通りにすると 案の定、2ページ目も変わらず綺麗な字で分かりやすくまとめてあった。
「インドアとアウトドアで分かれてるけど、インドアって何?」
しまった、馬鹿にされる と思ったが、存外葉月は小馬鹿にすることなく、 「家の中でするって意味やで」 と教えてくれた。
インドア派には、料理やテラリウム、パッチワークに筋トレと言った僕でも理解できるものがかいてあった。ただー…
「メイクは…女限定なんじゃないのか?」
「そんな事はない!」
またズイッと顔を寄せてくる。近いんだよなこいつ
…ん?、待てよ 「葉月、それ…」
「くふふふ、におうてるやろ?うっすらやけど俺に合うメイクしてるんや。 毎日しとる訳やないからお宅ラッキーやで?」
気づかなかった。 さっきも顔を寄せられたけど、メイクの話がでるまでまったく。 それだけ違和感がないってことか。 いやでもこいつ髪長いし…
「短髪ボーイにも似合うメイクはあるで?
良かったら君で実戦したろか?」
僕の心を読むなよ
「いやいい、大丈夫」
「そりゃ残念、じゃあ、ノートに書いてあるやつから片っ端にやってこっか。
まずはボードゲームやで!」
「おい!そんなのどこに書いてっ!おいおい引っ張るな!」
こいつは多分、典型的な変人だ。 今からノートにも書いてない予定をバシバシまわされるのかと思うと、頭が痛くなった。