①毒師とロリ三十路〜ネズミもこもこ〜
文字数 1,434文字
「まず、かわいい下着を買うぞ~♪」
モコモコフワフワの愛らしい帽子をかぶった幼女・Ftが、ご機嫌な様子で賑やかな街頭を行く。スキップする度に、マロン色のツインテールがぴょいぴょいはねる。
その後ろを10代後半くらいの青年・Rtが「姉さん待って」と追いかける。『姉さん』と言う割に青年の髪は少女と異なっていて、青い。
と、いうわけで2人は義姉弟である。
「大人の体に戻ったら、まずはカワイイぱんつ! そして、念願のブラジャーを着けるぞぉぉぉ~!!」
こう見えて、幼女は実は三十路である。
幼児愛好者の相手をするために実父に薬で体の成長を止められ、実父が亡くなった現在も薬の効果は切れず、未だに幼い体型のままなのである。
昔は「ずっと若いままだワーイ」と気楽に構えていたが、年をとっていくとだんだん「子供を作れないのか」「マトモな仕事に就けないのか」と不安と不満ばかりになってきた。
それに、下着。
フリフリや色付きの下着を買いたいのだが、店員のおばさんに「お嬢ちゃんは、こんなハデなおぱんつはダメよぉ~?」と、白い下着・もしくはかぼちゃパンツを勧められる。大きなお世話である。
******
数日前。
やっと探しあてることに成功した“成長停止薬を製造したあの男”……の孫・グロピー(笑)が「ついに解毒薬ができたぞ!」と、手紙で自分らを呼び出した。
繁華街の裏路地にあるグロピーの家に、本当にできたの?! できたの?! と、ワクワクしながらFt達は直行した。
家に着くとグロピーは「よぉ」と、にたりと笑いながら出迎えてくれた。
グロピーの家には様々な薬品の瓶、謎の固形物等が整然と並ばれた棚ばかりあり、それらの発する独特な匂いが混じりあって部屋中に充満している(つまりKU・SA・I★)。
普通、客人が来たら茶のひとつやふたつお出しするものだが、グロピー宅ではそういうことはしない。できない。むしろ、出されても相手も困るし断る。
出される飲食物に知ってか知らずか何が付着混入されてるものだか、不安すぎるからだ。
グロピーはFt達に何もお出しすることなく、用件である『透明なケースに入れられた1匹のラット』を持ってきた。
このラットは、事前に“Ftが投与された成長停止薬”を投与されている実験用ラットである。とても小型で若々しく動き回っているが、もう2歳……立派な成体であるはずのラットだった。
グロピーは小皿のミンチ肉の中に何か液体を混ぜ、それをケース内に入れた。ラットは何も警戒することなく、それを食べ始めた。
「2日ほどで効果が目に見えて現れると思うから、2日後にまた来い!」
と、得意げな顔でグロピーが満面の笑みを浮かべた。
別のラットと取り替えがきかないように、グロピーはFtの目の前で、そのラットの左腹部に“とぐろうんこ”を落書きした。
「何ソレ、きったないわねぇ! やめてよ!」
Ftが激昂したので「うっせーなぁ」とグロピーは“とぐろうんこ”に適当にスマイルな表情をつけた。
ほら、可愛いだろぉ~、とヘラつくグロピーのスネをFtは思いっきり蹴飛ばした。
ちなみに、グロピーらがキャイキャイやっているすぐそばでK、という黒髪赤瞳の青年がグロピー新作の毒を飲んで緑色の反吐を床に撒き散らしながらうずくまっているのだが、今回のお話には全く関係がないので特に触れないでおく。
……大丈夫。数十分経つ頃には「毒、効かねぇ!」と元気に叫びながら起き上がります。
続
モコモコフワフワの愛らしい帽子をかぶった幼女・Ftが、ご機嫌な様子で賑やかな街頭を行く。スキップする度に、マロン色のツインテールがぴょいぴょいはねる。
その後ろを10代後半くらいの青年・Rtが「姉さん待って」と追いかける。『姉さん』と言う割に青年の髪は少女と異なっていて、青い。
と、いうわけで2人は義姉弟である。
「大人の体に戻ったら、まずはカワイイぱんつ! そして、念願のブラジャーを着けるぞぉぉぉ~!!」
こう見えて、幼女は実は三十路である。
幼児愛好者の相手をするために実父に薬で体の成長を止められ、実父が亡くなった現在も薬の効果は切れず、未だに幼い体型のままなのである。
昔は「ずっと若いままだワーイ」と気楽に構えていたが、年をとっていくとだんだん「子供を作れないのか」「マトモな仕事に就けないのか」と不安と不満ばかりになってきた。
それに、下着。
フリフリや色付きの下着を買いたいのだが、店員のおばさんに「お嬢ちゃんは、こんなハデなおぱんつはダメよぉ~?」と、白い下着・もしくはかぼちゃパンツを勧められる。大きなお世話である。
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数日前。
やっと探しあてることに成功した“成長停止薬を製造したあの男”……の孫・グロピー(笑)が「ついに解毒薬ができたぞ!」と、手紙で自分らを呼び出した。
繁華街の裏路地にあるグロピーの家に、本当にできたの?! できたの?! と、ワクワクしながらFt達は直行した。
家に着くとグロピーは「よぉ」と、にたりと笑いながら出迎えてくれた。
グロピーの家には様々な薬品の瓶、謎の固形物等が整然と並ばれた棚ばかりあり、それらの発する独特な匂いが混じりあって部屋中に充満している(つまりKU・SA・I★)。
普通、客人が来たら茶のひとつやふたつお出しするものだが、グロピー宅ではそういうことはしない。できない。むしろ、出されても相手も困るし断る。
出される飲食物に知ってか知らずか何が付着混入されてるものだか、不安すぎるからだ。
グロピーはFt達に何もお出しすることなく、用件である『透明なケースに入れられた1匹のラット』を持ってきた。
このラットは、事前に“Ftが投与された成長停止薬”を投与されている実験用ラットである。とても小型で若々しく動き回っているが、もう2歳……立派な成体であるはずのラットだった。
グロピーは小皿のミンチ肉の中に何か液体を混ぜ、それをケース内に入れた。ラットは何も警戒することなく、それを食べ始めた。
「2日ほどで効果が目に見えて現れると思うから、2日後にまた来い!」
と、得意げな顔でグロピーが満面の笑みを浮かべた。
別のラットと取り替えがきかないように、グロピーはFtの目の前で、そのラットの左腹部に“とぐろうんこ”を落書きした。
「何ソレ、きったないわねぇ! やめてよ!」
Ftが激昂したので「うっせーなぁ」とグロピーは“とぐろうんこ”に適当にスマイルな表情をつけた。
ほら、可愛いだろぉ~、とヘラつくグロピーのスネをFtは思いっきり蹴飛ばした。
ちなみに、グロピーらがキャイキャイやっているすぐそばでK、という黒髪赤瞳の青年がグロピー新作の毒を飲んで緑色の反吐を床に撒き散らしながらうずくまっているのだが、今回のお話には全く関係がないので特に触れないでおく。
……大丈夫。数十分経つ頃には「毒、効かねぇ!」と元気に叫びながら起き上がります。
続