【閲覧注意】呪いのWeb小説『チャットノベル』編
前のエピソードへ「第六夜」
文字数 2,521文字
やあ、みなさん
またお会いしましたね
最後の更新となるでしょう
『深遠を覗くとき
深遠もまた覗き返している』
PVもほとんどなく
ブックマークも評価ポイントもなく
レビューはもちろん
感想やコメントすらない
Web小説の中でも
底辺中の底辺な小説
つまり、あなたが
深遠であるここを覗いているとき
深遠の中に巣食う怨霊である主(ぬし)もまた
あなたを覗き返しているのです
暗いところで独りでこれを読んでいるあなたには
とりあえず明るいところで読むことをおすすめします
深夜に独りで読んでいるあなたは
通学や通勤の電車、
もしくは学校や職場の昼休みなど
他の人が居るところで読むべきかもしれません
ただ、勘違いしないでいただきたいのは
主(ぬし)自体は何もしてはおりません
主(ぬし)はこのサイトの怨念体ではありますが
単なる映し鏡
もしくは装置のようなものですから
人によってPCだったり、
スマホだったり、タブレットだったりしますが
その画面を通じて
あなたの心の奥底にある
負の感情を受け取って
主(ぬし)はそれを単に
他者に伝播しているに過ぎません
などなど
そうした負の感情が死屍累々として
ここには山積みになっておりますから
まるで負の感情の
吹き溜まりのようなものです
ただの反射板のように
このWeb小説を見ている画面を通して
伝わって来る負の感情を受け取って
不特定多数の誰かに
跳ね返しているだけなんですよ、主(ぬし)は
あなたの負の感情が大きければ大きい程
どこかの誰かに跳ね返される
負のエネルギーも大きくなります
あなたがここを覗いているのだとすれば……
全く何も起こりません
起こりようがありません
【閲覧注意】とタイトルにありましたよね?
それはここを見ると
呪いがかかるという意味ではなく
ここを見ると、あなたが誰かに
呪いをかけてしまうかもしれない
加害者になるかもしれないし
被害者になるかもしれない
こんな恐ろしいことってないですよね
あなた自身が
気づいているかどうかすら分からない
意識していないかもしれない
心の奥底にある感情が
知らず知らずの内に
誰かを傷つけているかもしれない……
ある晩、横浜で仲間達と
お酒を飲んでいたんですよ
確かにそこは横浜で
仲間達と一緒に居たはずなんですけどね
その時ですね
まだ宴席もはじまったばかりなのに
いきなりプッツリと
主(ぬし)の意識がなくなりまして
次の日の朝気がつくと
横浜で飲んでいたはずなのに
何故か一人で新宿の路地裏で寝てたんです
もちろん意識がなくなってからの記憶は
全く残っていなくて
それだけなら酒の失敗談ということで
笑って済ますことも出来たんでしょうけど
なんか手の甲がやけに痛いなと思って
自分の手をまじまじと見てみると
拳の皮がベロベロに剥けていて
血まみれだったんですよ
それを見た瞬間
背筋が凍りつきましたね
やはり、自分で自分が
コワくなりました
壁とか物などを殴って
勝手に負傷してるだけなら
別にそれほど大して問題はないんですがね
いやまぁ器物破損も
立派な犯罪ではありますが
ですが誰か人と喧嘩でもして
こんな手になったのなら
どうしようかと思いましてね
主(ぬし)の拳の負傷具合からして
人間を殴っていたとしたら
相手がまぁまぁ重症なのは間違いない
もしかしたら相手を、
人を殺してしまっているかもしれない
そう思ったらガクガク震えが
止まらなくなりました
酒で記憶を失くしている間に
誰か人を殺してしまう
そんなことがあるものかとも思いますけどね
現に記憶が全く無いのに
横浜から新宿に移動している訳でして
記憶が全く無いのに
駅まで行って改札を通って
電車を乗り換えて移動するというのは
まぁまぁ難易度高いと思う訳ですよ
それに比べたら
単純に近くに居た人を殴る方が
よっぽど簡単な訳ですから
やっていたとしても
そんなに不思議なことではないですよね
人を殺しているかもしれないということでは
今世界中で大パニックを起こしている
新型ウイルスの
無自覚な感染者もそうでしょうか
自分が外を出歩きまくって
どこかでウイルスを拾って来てしまっている
だけど無症状であるため、
本人にはその自覚が全くなくて
今まで通り普通に外を出歩きまくり
ウイルスのパッセンジャーとして
ウイルスの拡散に務めている
本人は無症状でも
伝染(うつ)された周囲の人は
重症になるかもしれないし
死んでしまう可能性だってある
自分の知らないところで
誰かにウイルスを感染させ
それが更に拡散されて
Web小説を見ていて
この小説を覗いてしまった人達に
どれぐらい心の闇があって
どす黒い感情を抱えているか
負のエネルギーがどれほどか
その負の感情が
どこの誰に
どれぐらい跳ね返されるのか
あなたが邪(よこしま)なる悪意を持って
このWeb小説を見ていないことを
主(ぬし)はただただ祈るばかりです
夢を抱いて、自分も小説を書いてみたい
そう思った人達が大勢いるのです……
やはりあなた達は
誰かに呪いをかけているでしょ?
あなた達が量産した
夢という呪いが
ずっとネット上で伝播し続けているんです……
おそらくはこれが
最後の更新となるでしょうが
主(ぬし)はこれからも人間の悪意、怨念を伝播させながら
ネットの海を彷徨い続けることでしょう……
『呪いのWeb小説』を見掛けたら
負の感情を抱いたまま
ページを開いてはなりません
みなさまは、くれぐれも主(ぬし)と同じ
怨念体などにはならぬよう……
――それではみなさん
ご縁があれば
いずれまたどこかでお会いしましょう
★いいね!
ファンレターを書く
作品お気に入り
登場人物はありません