4. お試しプレイログ(依頼調合)

文字数 1,646文字

◆お試しプレイログ(依頼調合)
【依頼書の薬を調合する】
薬効・毒性:ダイス目4・6、薬効6毒性4に割り振り→「とても強い薬効。一部の病に効く程度」「強い毒性。薬草魔術師が数時間寝込む程度」
味:ダイス目4→「渋味がある・渋味が強い」
形状:「薬品類」表から3を選択→「粉薬・錠剤」
効果:ダイス目1→「痛み・かゆみに関する効果」
材料1:ダイヤ8、ダイス目1→「花・蕾」「暖色系 or 明るい色|角ばっている or 硬い」「9グラム」
材料2:ハートJ、ダイス目1→「エキス・植物油脂」「暖色系 or 明るい色|丸みがある or 柔らかい」「12グラム」
生成判定:<知性>を選択、ダイス目1・4→成功
報酬:クラブ4→「銀貨」「4枚」


 抜歯跡がとにかく酷く痛むのです――。
 庵に迷い込んできた男の泣き言を要約すると、そういう話だった。
 客商売を営んでいるつもりは毛頭ないのだが、まれに森を抜けて人間が辿り着くことがある。決まって悩みを抱えた者が。偶然か必然か己の前に現れた相手には、薬を融通してやることを魔女はマイルールとして決めている。
「ん……? 処置は上手くいっているようだし、血の蓋も取れてないけどな。さては痛がりさんか」
「ち、ちのふた?」
「あなた家族や同居人はいる?」
 男のおうむ返しを無視して問えば、妻がいると言う。よろしい、あの薬にしよう。

 カルムの樹の精油に赤晶花の花弁を浮かべ、微細な振動を与えてやる。すると赤晶花の周囲に銀色の粒ができ始めた。それをつまみ上げて皿に移していき、最後に軽く炙って余計な油を飛ばす。
 カルムは鎮痛剤として驚くべき効果を持つ。同時に、耐性の無い人間が不用意に口にすれば軽く死ねる劇物でもある。赤晶花を触媒とし有効成分を優先的に取り出す手法は、分量や反応の見極めが難しい。魔女にとっては手慣れたものだが。
「……いい? 包みごと水に浸けて濡らして、たっぷりの水ですぐ飲み込むこと。下手に口の中で溶かすとしばらくエグみが残るよ」
「分かりました」
 『食べられる紙』で四包、男に押し付けた。
「カルムの粉薬――飲めばスッパリと痛みが消える。副作用に気をつけて、三日ぐらい眠り続けるから」
「えっ。それは鎮痛薬じゃなくて、睡眠薬では」
「いや、しつこく揺り起こせば目は覚めるよ。奥さんに頼んでおくといい。代わりに鎮痛効果もなくなるけど」
「やっぱり睡眠薬じゃないですかぁ痛たたたた!?」
 大声を上げかけた男は、とたん涙目になって右頬を押さえた。ああ、無理するから。
「要らないなら、お代は取らない。どうするの?」
「う、か、買います……」
 心なしか肩を落として男は帰っていった。痛みに邪魔されず安眠できるだけでも十分な効果だと思うのだが、どんな万能薬を求めていたやら。そんな呆れを含めて、たまに来訪者の相手をするのは面白い。


 こちらは調合実験と違い、依頼に応じて既知の薬品を作り出すものでした。既知とはキャラクターにとっての話で、プレイヤー視点ではランダムの結果から今想像したものです。
 他のキャラクターを出したため少し文章が長め。依頼であるため、想像が依頼人、会話、エピソードなどの方向に拡がりやすいと感じます。
 あと今回は材料と薬に名前を付けてみました。カルムは英語のCalm(鎮静)から取っています。薬効も毒性も強めな薬ってどんなのだろうと考え、「薬草魔術師が数時間寝込む程度」ならパンピーは昏倒ものではと思いこんな感じに。頓狂な薬になっちゃいましたがファンタジーなのでヨシ!

 既知の薬なので毒味(耐毒判定)なし。また調合実験では効果が任意選択推奨なのに対し、依頼での調合はランダム推奨でした。実験の時は作る薬の方向性をプレイヤー/キャラクターが決めて調合し、依頼の時は依頼人の要望に合わせるからランダム――なのかと思います。
 先の調合実験のプレイログでは生成物の効能がないことまで決まってから文章を書いたので、キャラクター視点でも行き当たりばったりなふうにしちゃいましたけどね。


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