第1話 プロローグ 彼女
文字数 722文字
子供の頃から、高校生というのはずいぶんと大人で、いつか大きくなれば自分もそうなれる。
わかっていたとしても、それでもまだ小学生だった自分からしたらそれはまだ遠く、先すぎる未来の話だった。
高校生というのは、大人で、マンガやアニメにも出てくる姿は主人公で。
超常的な力――例えば超能力とか、そんなのなくったって、高校生というだけで存在は特別になる。
ずっと、だから、なりたいとおも居続けていた、憧れだった。
けれど幼少期の一日、一時間の進みというのは、途方もなく長くて、遅い。
いったいいつになれば、自分は子供じゃなくて大人になれるんだろう。
親を早くに亡くしていた為、身寄りは山奥に済む、まるで仙人のような祖父しか、引き取る者もなく。
また毎日強要させられた習い事もあって、ずぅっと引き取られてからの心には、反発と、いつかここを出ていってやるんだからなという強い意識でもって、毎日を消費し、いつか思った大人へと一日一歩ずつ着実に準備を進めてきた。
そうして。
地元の唯一一校だけある高校に入るものだと思い込んでいた祖父の裏をかいて、密かに積んできた勉強と先生に自分を売り込み続けた事が功を奏し、ついに都会・東京のある有名校への推薦と特待生の地位をもぎ取ったのだ。
――まぁ、いくら教育費が無償化された昨今とはいえ、奨学金を得るということはいつかもっとさらに大人になってから徐々に返済という負の遺産を抱くことにも繋がると指導にあたってくれた教師からは教えてもらってはいたので、それは将来の自分に期待する事にしよう。
これで変わる。
何かになれる。
自分もいつか憧れた高校生と同じステージに立てるんだ。
――そう、思っていたはずなんだけど、なぁ……?
わかっていたとしても、それでもまだ小学生だった自分からしたらそれはまだ遠く、先すぎる未来の話だった。
高校生というのは、大人で、マンガやアニメにも出てくる姿は主人公で。
超常的な力――例えば超能力とか、そんなのなくったって、高校生というだけで存在は特別になる。
ずっと、だから、なりたいとおも居続けていた、憧れだった。
けれど幼少期の一日、一時間の進みというのは、途方もなく長くて、遅い。
いったいいつになれば、自分は子供じゃなくて大人になれるんだろう。
親を早くに亡くしていた為、身寄りは山奥に済む、まるで仙人のような祖父しか、引き取る者もなく。
また毎日強要させられた習い事もあって、ずぅっと引き取られてからの心には、反発と、いつかここを出ていってやるんだからなという強い意識でもって、毎日を消費し、いつか思った大人へと一日一歩ずつ着実に準備を進めてきた。
そうして。
地元の唯一一校だけある高校に入るものだと思い込んでいた祖父の裏をかいて、密かに積んできた勉強と先生に自分を売り込み続けた事が功を奏し、ついに都会・東京のある有名校への推薦と特待生の地位をもぎ取ったのだ。
――まぁ、いくら教育費が無償化された昨今とはいえ、奨学金を得るということはいつかもっとさらに大人になってから徐々に返済という負の遺産を抱くことにも繋がると指導にあたってくれた教師からは教えてもらってはいたので、それは将来の自分に期待する事にしよう。
これで変わる。
何かになれる。
自分もいつか憧れた高校生と同じステージに立てるんだ。
――そう、思っていたはずなんだけど、なぁ……?