超短編集3本勝負

文字数 773文字

1,ギョウザ

やあ!みんな!僕は美味しくきつね色に焼き上がったサクサクぎょう

さくさくむぐむぐ、ごっくん!

「うっま!めっちゃ美味い!ビールが進むぜ」

終わり


2,ドア

「どうしたの?なんで入らないの?」

「おかしいんだ、このドア、なんかおかしい。」

「何言ってんの、あたしさっきトイレ入ったわよ?
さっさと入らないともらすわよ!」

「わかってるんだけど、変なんだ!」

「あーもー!いいから入れ!」

ドンッ!

「わあああああぁぁぁぁぁ…………」

シーン

「え?」

終わり


3,一つの願い

俺は、その日、借家の押し入れに隠してあった古いツボをぞうきんで拭いていて、偶然自称魔王の召喚に成功した。
魔王は俺に、願いを一つ叶えると言った。
俺は急なことなので、何願えばいいのか頭が真っ白で浮かばない。

「早くしろ、3時までだ。」

「あと5分しか無いじゃないか」

まるでオレオレ詐欺だな。なんて気が短いんだ。
うっかり喋りそうになって口をつぐむ。
何が願いになるかわからない、気を付けなければ。

世界の王か?
いや、そんなこと言ったら野球の王選手もどきになりそうで怖い。
ワールドワイドな願いはやめよう。

ダンダンダンダンダンダン、魔王の足踏みが凄い。
うわあ、貧乏揺すりをはじめた!家が揺れる

「早くしろ早くしろ早くしろ早くしろ、あと3分だ。」

「ちょっ」

口をつぐむ。
待ては願いになってしまう!

金だ!とにかく金!いや、待てよ。
俺の人生、根気のなさが、だらしなさが、
女に逃げられ、仕事も失って、生活保護じゃないか!
金を貰っても一気に使い切ってしまうに決まってる!

「あと1分!」

金にするか?何にしようか?
そうだ、一度に言えば1つになるんじゃないか?!
そうだ!俺って頭イイ!
素晴らしい人生と金だ!

「15秒!10秒!5秒!」

「すっ!すばらしいかねのちんっ」

舌かんだっ!

その瞬間、股間がズンッと重くなり、魔王がシュッと消えた。
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