焼きそば

焼きそばを作る
キャベツや豚肉、もやしなんかを炒めて
麺も追加してさらに炒めて
最後に
粉末だったり液体だったりするソースを投入する
そうしてやっと思い当たる
焼きそばを作っていたと
思い当たる、というのは大袈裟かもしれないが
それでもやっと確信に迫る
部屋の中にソースの臭いが充満する
香ばしくしょっぱい臭いに包まれて
目の前で焼かれているものが焼きそばだと確信する
焼きそばとは焼いたそばのはずなのに
これから腹を満たすのはそのそば（と具材）のはずなのに
これから食べるはずのもはそのソースによって姿を現す
焼きそばとはソースにあり
それではあまりに心許ないではないか