凝縮とひとつまみの砂

文字数 206文字

面白くもない映画をひたすら見続ける
お風呂にも食事にもホコリが積もっている
時計の電池は切れている
この部屋の、この町の、あるいはこの時代の
澱とも言うべき時間と空間が集積している
磨かれない鏡は不鮮明な昨日と明日
何も思わない
と思うこと自体が思いを反映している
鏡にもカメラにもディスプレイにも映らない
澱の色合いが満ちている
凝縮した日々の慰みが
排水口にどろどろと流れていくのを見つめながら
ひたすらに真っ白な蛍光灯に照らされる
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