シルバー・ローニン(2)

文字数 395文字

「はい、金型出来たよ」
「そう言えば、何故、金属製でないのに『金型』と呼ぶのだ?」
「昔からの慣習」
 3Dプリンタは、私が注文したモノを作り出していた。
「ま、正確には、これを焼いたらセラミック製の『金型』が出来上がるんだけどね」
 私に、そう説明したのは台南工房のコードネーム「ミカエル」だった。
「で、何やってんの?」
 私達の作業を眺めながら、(あさひ)がそう聞いた。
「瀾師匠から『お前は恐怖を武器として使える』と云うアドバイスを受けたのでな」
「い……いや……絶対にそんな意味じゃないと思う」
 (あさひ)はPCのモニタに表示されているデータを見ながら、そう言った。
「あとは……私達へのこれの使い方の講習です」
 続いて、ロンベルグ氏がそう言った。
「で、あと、どれ位かかるの?」
「金型を焼き終るまで2時間。装甲の焼結に2時間。組立とテストに2時間。その他モロモロの時間まで考えると……」
「ギリギリだけど間に合う筈だ」
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