序章(終)
文字数 783文字
日が沈み、あたりには電灯が灯っていた。光源はそれと月しかない。静かな夜。住宅街のとある家の中。
そこには2人の男と2つの死体があった。一人は指が鉱石でできていた。ドワーフの特徴の一つだ。もう一人は犬の耳を持っていた。獣人の特徴である。
「なあ、俺たちはなんのために人を殺すんだろうな」と獣人がいう。
「命令だからだろ?」とドワーフが言った。
「そうじゃないだろ。俺たちはどうして、命令なんかで人を殺さなきゃいけないんだって話だよ」
「金が入るからな」
「人の命って金より大事なものじゃなかったのか?」
「違うから、こんな商いが成立してるんだろうな」
「今回もらった金が、1000万円。ここから、労務費や宿泊費を引けば、いくら残るんだろうな」
「残った金が人の価値ってことだろう?」
「結構残るな。200万くらいか」
「もっと残るだろ。何に金がかかってるんだよ」
「労務費に700万はする」と獣人が言った。「人の命の価値より、人を殺す人間の価値の方が高いに決まってる。みんなが嫌がることを俺たちは率先してやってるんだ。当たり前だろう?」
と、獣人の携帯電話が鳴った。
「もしもし」そこから、何度か頷き、電話を切った。
「誰からだ?」
「第3階位から」
「久しぶりだな。死んだと思っていたけれど」
「死んだよ。その後任から電話がかかってきた」
「へえ、俺たちみたいな末端には後任がいたことすら知らされてないけれどな」
「俺も昨日知った」
「要件は?」
「第2魔女の殺害」
「体良く使われるな。金をふんだくってやれ」
「いくらがいい?」
「1億はもらわないとな」
「いや、10億はもらわないと。その仕事が終わったら、遊んで暮らすんだよ」
「なんか、死にそうなやつのセリフだな」
「多分、死ぬだろ。今、死んで困るような人生だったか?」
「それは確かに」
「今日死んでもいいっていう生き方を俺たちはしてきたからな。最後まで楽しもう」
そこには2人の男と2つの死体があった。一人は指が鉱石でできていた。ドワーフの特徴の一つだ。もう一人は犬の耳を持っていた。獣人の特徴である。
「なあ、俺たちはなんのために人を殺すんだろうな」と獣人がいう。
「命令だからだろ?」とドワーフが言った。
「そうじゃないだろ。俺たちはどうして、命令なんかで人を殺さなきゃいけないんだって話だよ」
「金が入るからな」
「人の命って金より大事なものじゃなかったのか?」
「違うから、こんな商いが成立してるんだろうな」
「今回もらった金が、1000万円。ここから、労務費や宿泊費を引けば、いくら残るんだろうな」
「残った金が人の価値ってことだろう?」
「結構残るな。200万くらいか」
「もっと残るだろ。何に金がかかってるんだよ」
「労務費に700万はする」と獣人が言った。「人の命の価値より、人を殺す人間の価値の方が高いに決まってる。みんなが嫌がることを俺たちは率先してやってるんだ。当たり前だろう?」
と、獣人の携帯電話が鳴った。
「もしもし」そこから、何度か頷き、電話を切った。
「誰からだ?」
「第3階位から」
「久しぶりだな。死んだと思っていたけれど」
「死んだよ。その後任から電話がかかってきた」
「へえ、俺たちみたいな末端には後任がいたことすら知らされてないけれどな」
「俺も昨日知った」
「要件は?」
「第2魔女の殺害」
「体良く使われるな。金をふんだくってやれ」
「いくらがいい?」
「1億はもらわないとな」
「いや、10億はもらわないと。その仕事が終わったら、遊んで暮らすんだよ」
「なんか、死にそうなやつのセリフだな」
「多分、死ぬだろ。今、死んで困るような人生だったか?」
「それは確かに」
「今日死んでもいいっていう生き方を俺たちはしてきたからな。最後まで楽しもう」