第2話 「一朝事あれば」の前に〜男はつらいよ

文字数 699文字

男はつらいよ

 鎌倉幕府の御家人ではなかろうが、一介の男子としてこの資源のほとんど無い日の本に生まれたからには、避けられない運命宿命みたいなものがある。

 それは一朝事あれば、憲法9条があるから国難の話は別として、近々の人生の話として、具体的に妻や恋人、友人や年老いた両親などが危険にさらされた場合、立ち上がってこれを守らないといけないのである。

 では、実際のシチュエーションはどうかと言うと男が一対一の所謂タイマンの場合、まず口論となり、掴み合いとなり、次にどうなるかというと十中八九は殴り合いとなる。

 投げたり絞めたり、あるいは蹴りを繰り出すのは、武道の有段者であり、彼等が素人にストリートで手を出す事はほとんどあり得ない。

 トラブルになるのは、アウトローやアウトサイダーの類である。では、日頃筋トレやランニングなどしているスポーツマンがパンチを撃った場合に何が問題になるのか。

 こういった素人が放ったパンチでも充分に相手をKOできるのである。しかし、両刃の剣で自分の中指骨がもたないのである。即ち、骨折してしまうのである。

 特に、第四と第五中指骨は弱く、即ち薬指と小指の側でパンチがヒットしてしまうと脆弱性がもろに出て壊れてしまう。

 では、素人だけの現象かと思いきや、そうでもなくて、プロのボクサーだってバンデージを巻いてグローブをはめて殴り合いをしてもやっぱり拳を痛めてしまうのである。

 そうなると日頃から、巻藁などを突いてナックルを鍛えておく必要が出て来る。

 誠に男はつらいよ、
特に日本の男を演るのは、である。

 

 

 

 

 

 
 
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