第13話:子供たちの成長とケアンズ長期旅行1

文字数 2,224文字

 その中の3発がゴールネットに突き刺さった。これを見ていた、母の安江は堀越伸二と大声を張り上げて応援していた。そして、試合後、恥ずかしいから、あまり大声で、俺の名前を言うなよなと、堀越伸二がボソッと言った。それに対して、格好いいんだから、いいじゃないと言うと俺の彼女達の手前もあるから、考えてくれと言った。

 あまりにも可愛いことを言うので安江が堀越伸二を抱きしめた。すると、やめろよな、もう子供じゃないのだからと大声で言った。それを聞いて安江が悲しくなって涙をこぼすと堀越彦一が、こうやって子供達は大人にいなっていくんだよと慰めた。しかし、最後は号泣し堀越伸二が恥ずかしいから泣くなよと頼むように言うので泣き止んだ。

こうして堀越達也も堀越伸二も成長していくのを祖父の和男は目を細めて、あいつらは頼もしい男達になるぞと喜んでいた。そして、今年の12月に堀越彦一は両親と子供達の合計6人で横浜中華街の聘珍樓で豪華な忘年会を開いて今年の堀越達也と堀越伸二に今年の出来事と来年の抱負を聞いた。堀越達也は洋楽が好きだから本格的に英語の勉強を始めたいと言った。

 堀越伸二は新しいサッカーシューズと運動着が欲しいと言った。そこで、堀越達也には英語検定3級、4級用のカセットとテキストを買ってやった。堀越伸二には新しいサッカ-・シューズと運動着を3着、新調してやった。そして2008年を迎えた。この年は昨年からアメリカのサブプライムローン問題で2007年8月に起きたパリバショックと呼ばれる大きな経済事件が起こった・

 2007年8月、BNPバリパ「フランスに本拠のある金融グループがサブプライム問題を深刻に受け止めた。パリバ傘下のミューチュアル・ファンドが投資家からの解約凍結を発表したことで、大混乱になった。以前から懸念材料のあったサブプライム関連商品が含まれた投資信託を、解約したくても解約できない事態に陥った。

 2007年8月9日にミューチュアル・ファンドが投資家からの解約凍結が発表されたことで為替相場は急変した、その結果、欧米株は急落した。さらに8月14日の日経平均は一時、6百円安と大きな下げに見舞われた。アメリカの格付け会社がそのサブプライムローンの債券に「AAA」という最高ランクを付けていた。

 しかし、大手銀行のゴールドマン・サックスやリーマン・ブラザーズ、メリル・リンチ、・ベアー・スターンズというサブプライム・ローンの立役者とJPモルガンなどの金融複合企業、さらにムーディーズなどの格付け会社はサブプライム関連商品を売って大儲けするため水面下で結託していたことが、その後、明らかになった。

 そのために2008年になってからアメリカ株の下げを引き金に世界の株式市場が混乱し大きな下げを誘発した。下げ始めると大きな下げが続き、株価が半分以下にまで下がった。この時、堀越彦一が株式市場から手を引いて良かったと胸をなで下ろした。それで2008年6月からリスクオンの円高が始まった。その後、急激な円高が始まった。

 この年の夏休み、堀越彦一と奥さんと子供達の4人でオールトラリアのケアンズへ旅行を計画して7月30日に日本を発ちケアンズに到着した。ケアンズで、長期滞在を考えてパームコーブの海沿いのコンドミニアムに2週間で14万円で2ベッドルームを借りて生活を始めた。そのコンドミニアムには巨大な冷凍冷蔵庫と電子レンジ、食器棚と中に4人分の食器が置いてあった。

 そのためレンタカーを借りて、大きくて格安のショッピンセンターをフロントで聞き、ビール、水、コーラ、珈琲、紅茶、パン、お米、冷凍の肉、魚、野菜、果物を買い出しに行った。そして、野菜果物以外は、約2週間分を買ってきた。このせせつはホテル内に木が生えて自然の林の中にいるような錯覚を起こすような素敵なつくりになっていた。

 テラスには屋根付きのベッドが用意されて昼寝もできるように設計されていた。もちろん、庭の中心には大きなプールも完備されていたが8月は南半球の冬で、さすがにプールに入るわけにはいかなかった。ホテルの庭のすぐ前はビーチで大きな海が広がっていた。ただシャワーとトイレが一緒に透けた鏡で仕切られているのが、気になった。

 風呂はジェットバスの機能もあり、大人2人が十分には入れるほどの大きな浴槽だった。そして海辺の通りを数分行けば、飲食街はあって、大勢のお客さんでにぎわっていた。そして、そこのカフェの珈琲が、お世辞抜きにイタリアン珈琲でカプチーノの美味しさで有名だと知らされた、さすがにカプチーノは飲めないので、カフェオレを頼むと確かに珈琲は本格的で旨かった。

 その後も珈琲を飲むときには、このカフェに行くようになった。滞在中にグレートバリアリーフのツアーに出かけケアンズから高速船で50分でグリーン島に到着するツアーが90豪ドルであり4人で参加した。出発時間が8時半で家を8時前にタクシーに乗り出かけ集合場所に8時10分に着いた。そして、高速船に乗り込んだ。

 あらかじめ船用意予防のため酔い止めを飲んでから乗船した。11時半にグリーン島の到着。12時から昼食を食べ、午後は自由行動であり、15人くらいの団体と一緒に島の散策に出かけた。その後ビーチでバレーボールをしたり、水遊びして、疲れると大きなパラソルの下の簡易ベッドに横になった。すると父の堀越彦一が「いびき」をかいて寝てしまった。
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