ヤツの事を反芻してよく噛みしめる。

文字数 1,296文字

さて、色々脱線したり混線したりして半ば目的があやふやになってきているので、大本の「ミステリーとはなんぞや?」というところに戻ろう。

ミステリーの根元、つまり心臓は「謎」である。

そしてそれを劇的に解き明かして行くストーリーこそが「ミステリー小説」である。

そしてその心臓たる「謎」には、
フーダニット・Who done it
誰がやったのか=メインの謎は「犯人」
ホワイダニット・Why done it
なぜやったのか=メインの謎は「動機」
ハウダニット・How done it
どうやってやったのか=メインの謎は「手段・トリック」
の3種類がある。

そして「謎」と共に重要になってくるのは、それの解き明かし方。
「謎」はとても重要だけれども、「真相をどう読者に提示するか」という部分も重要になる。
その道筋の面白さがミステリー小説の真価と言っても過言ではない。

そして「謎」の「解き明かし方」にはいくつかのタブーがある。

・アンフェア
いきなりラストでそれまで出てこなかった事を用いて謎解きをする。物語と読者の間に不公平があっては共感してもらう事は難しい=面白くない。読み手が持っていない情報を用いて答えとすれば、ふざけんな、読んできた方は今まで読んできた部分は何だった訳?!となるのは当然である。

・話の軸から逸れた回答
それまで刑事事件の様に扱ってきたのに、いきなり「異世界からの転移者」の特殊能力により……などと世界観をぶち壊す謎解きは当たり前だが受け入れてもらえない。そういう流れにしたいなら、はじめからそういう要素も取り入れた流れを作らないと当たり前ながらドン引きされる。

・偶然である
謎解きを突き詰めて、実は偶然でした。というのは「……は??」と読者が思う。謎解きを楽しんでいたのに、偶然でした〜とか言われたら、ちゃぶ台をひっくり返される。
ただ、ここは難しい線引きだと思う。実際、物凄く詳しく捜査した結果、偶然なのだと言う答えに行き着くミステリーもある。でもこれは手練による大どんでん返しの成せる技。ぴよぴよのふたばマークは手を出さない方がいいだろう。

そしてミステリーを面白くする重要なファクターがいくつかある。

それが

・キャラクター
・駆け引き
・予想外、想定外
・大どんでん返し

の4つだ。

同じ内容でも、面白い・引きつけられる・魅力的なキャラクターがストーリーをリードする事で話にリズムや華やかさ、カラーを添える事ができる。

そして謎解きの「謎」にまつわる事を、小出しにどう話に織り交ぜていくかの駆け引き。
ここまでわかった、もう少し知りたい、そうやって読み手を引っ張っていく(引き込んでいく)。

そして、その答えがありふれた予想通りのものでは「あ、うん……。」となってしまう。
アンフェアにせずに情報を渡しつつも、その答えが読み手の「予想外・想定外」であればあるほど面白い。

そしてクライマックスというのは、どんな話でもそうだが「大どんでん返し」で、追い詰められたところからの逆転満塁ホームランの方が面白い。

以上が「ミステリー」の基本を大まかにまとめたものになる。

うん……。

とりあえず、もう一度その辺をよく噛みしめてみようと思う。



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