第36話 立川総合病院(ハル、ナツ、アキ)

文字数 2,041文字

愛菜と2人だと、何度も死にそうになった遊園地を思い出す…
愛菜がここに未来の仲間を見つけに来たのは俺は知っているが、知らないフリをして話しかけた。
なぁ、ここに何があるんだよ?薬でも欲しいのか?
ここにはね、未来の仲間の医者と看護師がいるの!


病院、やけに静かじゃない?

確かにゾンビ人間がいない病院なら、生き残りも多いはずなのに、中に入ってきたときから、人の気配がない…
だよな…おかしいよな。
あそこの病室覗いてきてよ。
愛菜が指さした病室は…


重症患者用の病室…

え、嫌だよ…


愛菜が見に行けよ(笑)

は?レディに先行かせる気?


つくづく情けない男だな。このヘタレ童貞!

愛菜は怒って先にスタスタ歩いて、その病室を開けた…
病室には天井から吊るされた人達がミイラ化していた…
な、なんだよこれ…
俺は病室の中に入れないでいると、気にせず愛菜はづけづけと中に入っていき、俺を呼ぶ…
初!ちょっと来て!これ見て!
中に入りたくなかったが、しかたなく入ると、愛菜が何かノートのようなものを持っている…
見せられたノートには、人造兵器実験報告書と書かれていた…
(人造兵器ってなんだよ…)
これって、俺たちみたいな遺伝子が操作された人種の実験か?
これは…たぶん私達みたいな人種とは違うよ…


また別な実験だよ…


たぶん、私達みたいな人種を1から人工的に作ろうとしたんじゃないかな?

天才の愛菜が言うんだから、多分そうなんだろうと思った…
この病院の医者と看護師さっき未来の仲間って言ったよな?


この事知ってたり、関わってた人間じゃないよな…

これちょっと見て!
愛菜が開いたページには大分昔に書かれたのか、古い日記のようなものが書かれていた…


「ついに、実験に成功した。国からも支援金が出されているし、量産できるようになれば、画期的なこととなるだろう。」

「ついに完成した人造特殊人間…最初の成功作の名前は春(ハル)、夏(ナツ)、秋(アキ)この人造特殊人間を遺伝子操作人間のゼロとワンのいるチームでついに実用化できる。」



「私の作り出した、春、夏、秋は戦地でゼロとワンの舞台で大活躍中ダッタと国の偉い人たちから、さらなる研究費、そして報酬が出された。量産化出来れば凄いことになるぞ…」
俺達が読めたのは日記の最後の方。


最初のページからほとんどのページは黄ばんで見えなかったり、汚れていてわからなかった…

この病院で昔から、患者を使ってなんかの実験が行われてたってことだよな…?


しかも国が絡んでたって…

弁蔵さんのお父さんとか、茜さんのお父さんも関係してるのかな?
大臣に官房長官じゃ、知ってるだろうし、下手したら加担してるよな…


とても弁蔵さんや茜さんにはこのことは教えれないよな…

まぁ、本人たちには関係のないことだしね。


人造人間が研究されてたってことだけ教えればいいんじゃない?

そうだな…
他の病室等も同じように実験に使われていたのかミイラ化きた人の死体はたくさんあった…


でも、2階に上がると全然違った…


病室や廊下には先程殺さたばかりでないのかというような遺体…赤い血が広まっていた…


俺は人の気配を感じたので愛菜を引っ張って病室に隠れた…小声で愛菜に言う

愛菜、静かにして、気をつけろよ。この階にたぶん、殺しをしてるやつがいる…
愛菜が小声で言う
どうすんの?


そいつが私達みたいな能力者じゃないといいけど…

俺は同じ人種の人間の気配はもう、わかる。


でも何も感じない…愛菜は?

私も感じないけど、これだけの人を殺せるっていうのは並の人間じゃないよね…
そんな事を愛菜と話していると外から銃声がした…


俺と愛菜は顔を見合わせ、二人とも急いで廊下の窓から外を見ると

茜さん、弁蔵さんが外に出て、まっさんと友美さんが援護射撃で、1人の男と戦闘を開始している…



初、まずいよ…外にいるのレッドだよ…
俺達もいそいで戻る…
愛菜にそう言いかけた時、目の前に素早く現れた3人の人…


俺はとっさに覚醒し刀を抜いて3人の攻撃を防いだ…

よぉ。久しぶりゼロ。
あ、ホントだゼロだ。一緒にいる女は新しい仲間?
何でここにいんの?また一緒に戦うの?
3人は覚醒した俺を見て攻撃するのをやめて話しかけてきた…


(誰だよ?しかもゼロ?人違い?)

初、ここで油を売ってる時間はないよ。


急がないと、みんなが危ない!

そうだな!先に行ってくれ。コイツらは俺がなんとかする…


ちなみにあんたら誰だよ?

わかった。
そう言うと愛菜は階段を降りていった。
はぁ?ゼロ俺達のこと忘れたの?俺だよ春だよ。
え?私も忘れられたのぉ?夏だよ。
薄情だなぁ。私は秋だよ。昔一緒に部隊で戦地で戦ったじゃん(笑)
(こいつらが春、夏、秋?さっき愛菜と下で見た日記に書いてあったやつらか?ゼロって俺に向かってさっきから言ってるよな?)
日記にゼロとワンの部隊で戦地でって書いてあったのを思い出す…
(え?ゼロって俺…俺がうなされる夢は夢じゃなかったってことか?こいつ等が人造兵器人間?)
少し血色が悪そうだが、ふつうに言葉もスラスラ話し、普通の人と何ら変わりなさそうなのに…
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登場人物紹介

この物語の主人公 沖田 初(おきた はじめ)17歳。


城北高校2年生。運動神経抜群だが帰宅部。

木下 愛菜(きのした あいな)高校2年生17歳。


城北高校へ突然転校してきて主人公、初のクラスメイトとなる人物。


何故か初のことをよく知っている?


容姿端麗の美少女だが、冷たい冷酷な一面も持ち合わせる。

土浦 正樹(つちうら まさき)高校2年生17歳。


城北高等学校 剣道部エース


初の親友。家も近所で小、中、高と初のことを昔から知る人物でもある。



沖田 奈緒(おきた なお)中学3年生15歳。


城北中等学校 剣道部主将


初の妹。隣接する城北中学3年生。容姿が良くモテるがややブラコン気質のため彼氏なし。

屋敷 弁蔵(やしき べんぞう)39歳。弁蔵Kitchenのオーナー。


独身。

堀川 茜(ほりかわ あかね)24歳


弁蔵の婚約者。

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