セリフ詳細

その子はね、『まくらちゃん』って名前なの。

あたしの宝物で、今まではいちばんのお友達だった。


パパもママもモカ(妹)もいなくなって、元いた家から引っ越しても、

この子だけはあたしについてきてくれたから。


このお店でのんび~りする時だっていつも一緒に来て、

コーヒーカップの横に置いて眺めてた。

喋ってくれなくても不満に思ったことなかったんだけどね。


今はやっぱり、山あざらしみたいに

ちゃーんと応えてくれる相棒がいるの、いいなって思うよ

作品タイトル:山あざらしのサン

エピソード名:前半

作者名:ほしのそうこ  sohko3

3|現代ドラマ・社会派|完結|4話|9,122文字

短編小説, 友情, 謎生物, 現代ファンタジー, 家族, 水族館, ジンベエザメ

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謎の生き物、その名は「山あざらし」。人間の手のひらサイズの小さな命。彼らはおもしろおかしく平和そのものに暮らしているが、ただひとつだけ負の伝統がある。自分を食べた生き物に来世で転生できるという信仰があり、年に一度、人間の子供に食べてもらうための生贄を捧げるのだ。



※この物語は空想です。人間に化けた山あざらしが社会生活するために必要な住民票とか社会制度のあれこれについては目をつぶってお楽しみください

※娘が考えた「山あざらし」がかわいくて、物語が読みたくなって書きました。