セリフ詳細

そして心のどこかでは、ぼくがこのまま桜丈ホールディングスにしがみつけば、グループは瓦解するかもしれないと気づき始めていた。もちろん、ぼく個人としては、自身がそれで納得するのならば良いのだろう。だが今は君たちがいる。こんなどうしようもないぼくだけど、君たちの幸せくらいはささややかに願っているつもりさ。だからぼくは一旦すべてを無理やりにでも断ち切って、強引に幕引きしてしまったほうがいいと考えた。ありったけの勇気を振り絞ったんだ。熱海に逃げ込んで以来、できるだけ毎日事業のことを考えまいと今も気力を振り絞る。そして栄光に到達できなかった自分を悔やみ……身体が震えてやまない哀れな毎日を送っているのさ……。

作品タイトル:帝王学へようこそ!

エピソード名:第8章(1)

作者名:至道流星  shidou

1035|社会・思想|連載中|71話|362,753文字

帝王学

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ぼくらには骨の髄まで染み込んでいる『帝王学』ですが、反感・誤解を受けることが多いため、公で語られる機会はほとんどありません。そこであえて虎穴に飛び込み、帝王学を世界で初めて基礎的事項に絞り体系化して、登場人物たちの力を借りながら、真摯に言語化してみたいと存じます。
何気なく読み飛ばす箇所も多いかと思いますが、ご自身の実力・経験値が上がったとお感じになったとき再読して頂くと、その度に新しい発見があろうかと思います。