セリフ詳細

「あれだけの器量だ、庄屋のどら息子に目を付けられてな、手篭めにしようと蔵に引っ張り込まれたんだ……まあ、それまでにも何人も引っ張り込んでたらしいがな、おりんの時だけ違ったのはおりんが最後まで抗ったってところだ……そのどら息子ってのは相撲取りと見まがう位の大男でな、蔵に引っ張り込まれたが最後、大抵の女は諦めるしかねぇのさ、だが、おりんは最後まで抗って抗って、蔵にあった鎌で立ち向かったらしい、頬に傷をつけられたどら息子は逆上してな、おりんを壁にたたきつけてぐったりした所を犯っちまったらしいや……おりんが引っ張りこまれるのを見ていた女中がいたんだがな、何しろ相手は庄屋の倅だし、体が大きくて力もあって怒ると見境のなくなる野郎だよ、見て見ぬ振りするしかなかったのよ……ところがいつまで経ってもおりんは出てこない、で、様子を見に行ってみると……打ち所が悪かったのか、それともとんでもねぇ力で投げ飛ばされたのか、おりんはそのままこと切れてたってわけだ……」

作品タイトル:おりん

エピソード名:おりん

作者名:ST  sansyouteitiraku

8|その他|完結|1話|9,378文字

江戸, 同心, 居酒屋, チャットノベル大賞, 怪奇

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江戸のはずれ内藤新宿。
そのまた外れの小さな煮売り居酒屋で……。