セリフ詳細

 「日本連邦」の成立に伴い、九州鎮台は使命を終えた。今後は、連邦軍と各県の警察組織への改組が予定されるが、軍閥の既得権益も依然として根強く、一寸先は闇である。十三宮聖は死亡説もあるが、須崎優和はしぶとく生き延び、北東京の禍津日原(まがつひはら)クレーターに建立された教会堂において、「東アジア地中海戦争」などと総称される、永きに及んだ日本列島の修羅地獄…その犠牲者を慰霊した。十三宮仁(死亡説あり)が振り向くと、そこに居たのは、救世旅団の指導者(Master)と酷似した、記憶喪失の修道女(Sister)であった。そして季節は共和元年4月、八重桜が広がる入学式の春。禍津日原第四学校で、新任教諭の泰邦(やすくに)清子(きよこ)が教壇に出御(しゅつぎょ)。クラスで最初に自己紹介した学生の名前は、「滝山(たきやま)未來(みき)」。歴史は紡がれ続ける、あなたの日々へ続く物語として…。

作品タイトル:Planet Blue chronicle

エピソード名:ステージは常に我を待つ

作者名:スライダーの会  slider

78|現代アクション|完結|16話|95,536文字

現代, シリアス, 歴史, ライトノベル, オリジナル, 群像劇, キリスト教, 戦争, 美少女, R15

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 地球への小惑星衝突に伴う「日本人民共和国」の崩壊後、日本列島は政治的統一を失って分裂し、東京・九州を統治する「日本帝国」、埼玉・前橋を占領した「星川共和国」、関西・中國地方を支配する「畿内軍閥」など、複数の地方政権が乱立する内戦状態に突入した。

 日本帝国 西海道政府首相として、九州の行政・軍事を指揮する吉野菫(よしの すみれ)は、周防・長門地域の領有を巡って畿内軍閥と対立していたが、可能な限りは外交による戦争回避の道を摸索し続けた。しかし、山口地帯が敵方の手に落ちる事を危惧した東京・九州の軍官僚達は、独断の軍事行動で周防大島 屋代島に上陸し、畿内勢との戦端を開いてしまう。不本意な開戦という現実を突き付けられた吉野首相は、同盟国であるアメリカ軍との連合作戦が予想される中、蓮池夏希(はすいけ なつき)を始めとする幕僚達との緊急軍議に臨む。

 このような動きに対し、畿内軍の謀将として山陰・山陽を守護する宇喜多清真(うきた きよざね)は、自らの信仰であるムスリム系の人脈をも最大限に駆使して、次なる聖戦の策を着々と進めていた。一方、和平工作の密使を拝命した、日本国教会司祭の須崎優和(すざき ゆうな)は、とある修道会の主から送り込まれた若き女騎士と共に、列島の地中海たる瀬戸内海へと導かれる。

 彼ら・彼女らと共に各地を転戦する中で見えてきたのは、西国の海道を血に染めた、稀代の天下大乱であり、その陰影に蠢く、錯乱の魂であった…果たして私達は、この戦争の結末を見届け、生き残る事ができるのだろうか…!