セリフ詳細

 吉野首相、総攻撃を指示。攻勢に転じた九州鎮台軍は和久中将を撃破、マスード・長船中校は敗残兵を(まと)め撤退。傭兵隊第一中隊長の八洲余一八洲精士郎の弟)が、首相を追い詰めるも木内(きうち)亮吾(りょうご)陸軍歩兵大尉に砲火され退却。鎮台軍は米軍増援を受け北九州・小倉口奪回へと向かい、熊谷・亀井軍は長州に撤退。一方、宇喜多都督は最後の攻勢で大島奪回を目指し、ヨハネ騎士団オスマン朝トルコ帝国の宗教戦争に(ちな)んで、「瀬戸内のマルタ(Malta)攻防戦」などと呼称される戦いが展開。大島守備隊司令官の千々石リカルド陸軍少将と、彼の率いる西玄可(ガスパール)旅団が「硫黄島戦術」で耐え忍ぶ間に、米軍艦隊が出撃、下関・山口への空襲を決行する。

作品タイトル:Planet Blue chronicle

エピソード名:ステージは常に我を待つ

作者名:スライダーの会  slider

78|現代アクション|完結|16話|95,536文字

現代, シリアス, 歴史, ライトノベル, オリジナル, 群像劇, キリスト教, 戦争, 美少女, R15

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 地球への小惑星衝突に伴う「日本人民共和国」の崩壊後、日本列島は政治的統一を失って分裂し、東京・九州を統治する「日本帝国」、埼玉・前橋を占領した「星川共和国」、関西・中國地方を支配する「畿内軍閥」など、複数の地方政権が乱立する内戦状態に突入した。

 日本帝国 西海道政府首相として、九州の行政・軍事を指揮する吉野菫(よしの すみれ)は、周防・長門地域の領有を巡って畿内軍閥と対立していたが、可能な限りは外交による戦争回避の道を摸索し続けた。しかし、山口地帯が敵方の手に落ちる事を危惧した東京・九州の軍官僚達は、独断の軍事行動で周防大島 屋代島に上陸し、畿内勢との戦端を開いてしまう。不本意な開戦という現実を突き付けられた吉野首相は、同盟国であるアメリカ軍との連合作戦が予想される中、蓮池夏希(はすいけ なつき)を始めとする幕僚達との緊急軍議に臨む。

 このような動きに対し、畿内軍の謀将として山陰・山陽を守護する宇喜多清真(うきた きよざね)は、自らの信仰であるムスリム系の人脈をも最大限に駆使して、次なる聖戦の策を着々と進めていた。一方、和平工作の密使を拝命した、日本国教会司祭の須崎優和(すざき ゆうな)は、とある修道会の主から送り込まれた若き女騎士と共に、列島の地中海たる瀬戸内海へと導かれる。

 彼ら・彼女らと共に各地を転戦する中で見えてきたのは、西国の海道を血に染めた、稀代の天下大乱であり、その陰影に蠢く、錯乱の魂であった…果たして私達は、この戦争の結末を見届け、生き残る事ができるのだろうか…!