セリフ詳細

そうするとスピノザ的な人が出てくるわけで。それがヒューム。こっちはスピノザより攻撃的かも。

ヒュームは『人間なんていない』。結局バークリーは人間は認識とか観念の束を取得していると考えた。ヒュームはもう一つ進めて、取得するべき人間は存在しなくて、その『束』しかないと考える。人間は知覚の束。

物凄い数のふかふかとか甘いとか眠いとかそういった知覚の束をぎゅっとまとめたものを『自分』と認識しているだけで、『私』という実体は存在しない。『私』すら知覚にすぎない、という考え方。

これは結構な衝撃だ。デカルトの『全部を疑う私はいる』というのも破壊した。

ヒュームはデカルトと合わせて懐疑論的な方面でも有名だけど、結構面白い。なんていうのかな、たとえばデカルトは原因と結果があれば繋がり(因果関係)はあっさり認めている。トップダウン方式。でもヒュームはその因果関係自体が本当に成立しうるの? っていうところを疑う。結局心理的な習慣に過ぎないんじゃないの、っていう。でもそれを実証はできない。

作品タイトル:【本編未読OK】君と僕らの備忘録

エピソード名:近世哲学後半概論 デカルトからヒュームまで

作者名:Tempp  Temppp

22|日記・個人ブログ|連載中|45話|175,539文字

作品解説, 建築, ミステリー, 宇宙, 妖怪, 都市伝説, 文学, 死体, 法律, 宗教

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【本編未読OK】
一般小説で書いてる作品に出て来た用語等を独断と偏見で解説するチャットノベルです。
単独でも内容がわかるようにしているつもりです(一部の次回予告除く?)。
以下、主なUP記事(未公開含む)
・ 擬洋風建築はロマン砲
・ ブードゥー教とゾンビ映画
・「魂と魄」、キョンシーと道教
・ 口裂け女は現代日本で生きていけるか
・ 神社合祀と伝承の断絶
・ ヘビ毒とヘビの生態、その他の動物毒
・文系でもわかる(といいな)、ビッグバンと多次元宇宙論とか

【修正】字句等については適宜。
10/26 カテゴリかミステリーになっていたので、日記に修正。その他とかの方がいいのかな、よくわからないな。