イン・ザ・ダストー星を仰ぎ見て

インザダストー星を仰ぎ見て■私Z88は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、 いつの時代なのか記憶がないのだ。しかしそこは階級社会であった。

作者:飛鳥 京香
●(1986年)SF同人誌・星群発表作品です。微妙に修正しました。

私は自分の記憶をなくして、何かの牢獄に入れられている。ここはどこか、
いつの時代なのか記憶がないのだ。


仲間の一人、Z90がいなくなった。Z90は私かこの世界へ着いた
後で、送り込まれてきた男だった。しばらくの間、彼は元気に農場
で働いていたのだが。
農場の老人は全員で彼の行方を探した。
彼の乗っていたキャリアーが、農場の東南端の森林帯に乗り捨てられていた。

そこから外は我々の管轄外である。多量の血がキャリアー内に散っていた。