セリフ詳細

それでは、さきほどの~

作品タイトル:ルール・ザ・タイフーン

エピソード名:ルール・ザ・タイフーンⅡ

作者名:終りなき夜に  endlessnight

2|その他|完結|3話|12,461文字

チャットノベル版

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 死者は帰らない。しかし亡霊は帰ってきた。ひどく都合の良い話だが……今の俺たちにとっては……いや、これ以上はやめておこう。
 ああ、でも、確かにあの頃には。あそこには——

「おとうさーん、なんで、したがパンツなのー?」
「あなた、もう、そんな格好で! 早く何か穿いてください!」
「え~、だって、暑いんだよ~! ラーメン食べてると、汗が止まらないんだよ~! パンツ一丁いいでしょいいでしょ~?」
「アハハハ、いいじゃないの、パンツ一枚でも。クククククッ」
「おれもぬごうっと!」
「アンタは脱ぐな、このバカ息子!」
「ぐえっ」
「きょーこもぬぐー!」
「ホラ、ア、ナ、タ!」
「え~、だってだって~……ヒイッ? わかりましたわかりもうしたわかったでござるよ~!」
「あははー、ぬぐー!」
「おれも、ぐえっ」

 ——和やかで、明るくて、暖かい、家族の食卓ってやつが、確かに……存在していた。

 ……さて、本題に戻ろう。おじさんは他にも様々な趣味を持っていた。持っていたのだが……その中にはおじさん唯一の困った趣味……まあ、俺や恭子にとって困った……とでも言おうか、もはや台風レベルの災厄と成り果てていた趣味もあった。詳しい名前は忘れたが、ソレはある種のゲームであった。