作品数44
総合評価数3,937
総合PV数1,266,238

作者ブックマーク

活動報告

『今日の彼、明日のあたし』応援いただき本当にありがとうございました。

昨日完結した『今日の彼、明日のあたし』、応援してくださった皆さまに、改めてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
皆さまの支えがなかったら、正直乗りきれなかったと思います。
感謝してもしきれません。

じつは私自身、第一話を書いたときは、ラストがこんなにドラマチックになるとは思っていなかったのです。
でも、私は業平の辞世の句がとても好きで、そこは外せないわけだから、やっぱり彼が死ぬところはどうしても書かなくちゃならないんだなと中盤ではっきり自覚して、覚悟を決めました。第六十四段の「風になりたい」前後です。(日付を見るとちょうど精神的にいちばんきつかった頃ですね。逆にすごく頭の芯が冴えていたのを思い出します。)
決めたときは、自分でも井筒ちゃんがかわいそうで本当に涙が出ました(笑)。ほんと心を鬼にしてという感じでした。うまく言えないのですが、そこで物語を甘やかしてはいけないというか。
オフでもつながっている知人の読者からは、「ダブルダブルの楽屋トークみたいな感じで落ちにして楽しく終わるんだと思ってたから驚いた」と言われました。それもじつは試みたんです、井筒ちゃんがかわいそうすぎて(笑)。だけどどうしてもうまくいきませんでした。水を坂の上に向かって掃き上げようとするみたいな感じで、戻ってきてしまうんですね。

最終回の設定についてですが、歴史上の在原業平は五十六歳という、当時としてはそこそこ長生きをして、「翁」と呼ばれる歳になってから亡くなっています。でも七歳年上の行平は七十五歳まで生きてますから、それに比べたら長命とまでは言えないですね。
世阿弥に「井筒」として描かれた女性は、史実では紀有常の娘で、業平の長男の棟梁(むねはり)の母であることは確実だそうです。次男の滋春(しげはる)と長女の美子(たぶん読みは「よしこ」)の母親はわからないそうで、伊勢斎宮の恬子宮だという説がありますが、その説じたい『伊勢物語』から逆成された伝説ぽくて、専門家にも疑問視されています。なのでこのさい三人まとめて有常女(ありつねのむすめ)の子であってもいいんじゃないかなと思って、そうしちゃいました。笑
業平の妻として実在が確認されているのは、この有常女だけらしいんです。私も意外でした。
同時代人の敏行くんこと藤原敏行は奥さん五六人いるんですよ(笑)。当時はむしろそれが普通ですよね。

何より、息子さんたちが二人とも歌人になっているという発見に、私すーごく感動しちゃったんです。
美子さんのその後(系図)については、もう驚きしかなかったです。
で、うちの近くの神社に神として祀られている業平さん(笑)。
歴史(ヒストリー)と伝説(レジェンド)の境目って何なんでしょうね。ますますわからなくなってきた今日この頃です。

最後へ来てきゅうに話の密度が濃くなり、ラストを待たずにリタイアしちゃった読者さまもいるんじゃないかと思って、じつはとっても心配していました。
このところずっと毎晩のPVが200前後だったのですが、昨夜、796で。
思わず二度見しました。
多くの読者さまが最後まで読んでくださったんですね。本当に嬉しいです。本当にありがとうございます。

自分でもちょっと業平くんロス、井筒ちゃんロスになっていて(そして行平さんロス!なんか行平さんすごく好き!笑)、
すぐには新しいものにとりかかれそうにない気もちと、いますぐ違うものを書きはじめないと耐えられない気もちとが半々です。
そしてこのタイミングで、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が始まってしまい(笑)。
『今日カレ』が終わったらすぐに『ダブルダブル』を一気に書いていこうと思っていたんですけど、ちょっと待てよと(笑)。これは大河とペースを合わせてゆっくり書いていったほうがいいなと(笑)。
もともと巻四で義経くんが天才歌人の讃岐院(崇徳院)に会いに行くエピソードを書くために、その前に業平さんの物語を書いておきたい、みたいな流れが自分の中にあったので、そこはゆるゆるスタートできそうではあるのですが。
三谷幸喜さんはやっぱりすごくて、頼朝像がいままでになく魅力的ですね。告白すると私、いままで大泉洋さんがそんなに好きでなかったのですが(ごめんなさい)、先日の初回を見てがぜん!ファンになりました。ひょうひょうとして食えない男であり、深い傷も抱えていて、かと思うと悪乗りもしてみたり、そして、激怒ですよ激怒。「頼朝激怒」(笑)。楽しみです。
小栗旬さんを毎週見られるだけでもじゅうぶん楽しみなんですが。笑

すみません、長くなってしまいました。お礼とご報告もろもろを兼ねて。
あらためて、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2022年 01月11日 (火) 23:28|コメント(0)

コメントはありません