第5話 みんなで月見
文字数 1,080文字
夜になった。
空には満月が昇り、その下に母さんが生けたススキが揺れていた。
空に上がった満月を観て、みんなで感想を言っていた。
分け前が増える。
増えなかった。
ハルトも食べた。
小さな声でお姫様が言った。
皿に乗った団子を取り分けて、小さい皿に乗せるとお姫様に渡す。
お姫様が月見団子を食べる。
美味しいけど白い団子だけだと飽きる。
だから母さんが作った餡子とかを乗せて食べると味が変わっていくらでも食べられる。
緑色のずんだを団子につけて食べたハルトが言った。
ずんだは俺も好きだ。
お姫様は思っていたよりもたくさん食べていた。
小さな声でお姫様は言った。
空耳かと思えるくらい小さな感じだったから、誰も反応しなかった。
みんなで満月を観ていたら、狼の遠吠えが聞こえてきた。
母さんが嬉しそうだった。
と思った。