第4話 魔王の城から助け出したはずのお姫様
文字数 662文字
そんなことを言っていた二人と家に入った。
大変な思いをして大国の城に届けた、魔王に捕らえられていたお姫様のアリーナ姫が、俺たちを出迎えていた。
母さんの機嫌がやけに良い。
二人は固まってお姫様を見ていた。
また書置きだけして城を抜け出してきたのか?
恥ずかしそうにとびきりの笑顔を見せたお姫様は、かわいらしかった。
俺が持っていた植物を見て、目を輝かせたお姫様が言った。
母さんがそう言うと、ススキと俺が差し出した上新粉が入った袋を持って台所へ行った。
なぜだかわからないけれど、お姫様も一緒に月見をすることになっていて、俺たちは月の出を待った。