第4話 魔王の城から助け出したはずのお姫様

文字数 662文字

もうちょっと

一般庶民の常識をわかってくれたらいいんだけど

わかってないところが

面白かったんじゃないかな?

そんなことを言っていた二人と家に入った。
ただいま
一般庶民の常識

私も知りたいです

え?
大変な思いをして大国の城に届けた、魔王に捕らえられていたお姫様のアリーナ姫が、俺たちを出迎えていた。
お隣に越してきたアリーナちゃんよ

ご挨拶に来てくれたから、一緒にお茶を飲んでたの

ああ

そうなんだ

隣に越してきた

ベニティア王国

第一王女のアリーナです

あらあ

上手に言えましたね

そうですか?
はい
母さんの機嫌がやけに良い。
隣の家、

昨日はなかったような気がするんだけど……

建てさせました
……
……
二人は固まってお姫様を見ていた。
簡単な造りなので

一日もかかりません

……腕のいい大工さんだね
我が国お抱えの宮大工です

こっそり連れてきました

こっそりなの?

必要だったので

また書置きだけして城を抜け出してきたのか?

シイナのお友達だって言うから、

一緒に待ってたのよ

はいっ
恥ずかしそうにとびきりの笑顔を見せたお姫様は、かわいらしかった。
それがススキですか?
俺が持っていた植物を見て、目を輝かせたお姫様が言った。
え?

さあ……

ススキよ

上新粉もちょうだい

母さんがそう言うと、ススキと俺が差し出した上新粉が入った袋を持って台所へ行った。
やっぱり

あの植物がススキだったんだ

お月見って

何をやるのかしら

満月にススキを飾って

月を見ながらお団子を食べるそうです

何のために?
それ以上のことはわかりません
なぜだかわからないけれど、お姫様も一緒に月見をすることになっていて、俺たちは月の出を待った。
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登場人物紹介

主人公:シイナ

魔王を倒した勇者見習い。

剣も使えて魔法も使える。

極めているわけではない器用貧乏。

ハルト

シイナとルカの幼馴染で魔王を倒した仲間。

軽いけれど天才肌の魔法使い。

女子からモテる。

ルカ

シイナとハルトの幼馴染で魔王を倒した仲間。

シイナのことが好きだけど言わない。

一緒に冒険がしたかったから戦士になった。

めちゃめちゃ強い。

アリーナ姫

魔王にさらわれていた大国の姫。

生まれながらのお姫様。

シスターになる教育を受けていて治癒魔法が使える。

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