第2話 明晰夢
文字数 516文字
コンビニで雑に買った食事で不機嫌な食卓を囲む。23℃に冷房が設定された部屋は直ぐ様食事を冷やした。
刺すような言葉を投げ掛けられるのを、テレビが流す雑音で搔き消す。
食べ終わると、腹を立てたアイツに殴られ、首を締められる。細く息を吐きながら、このままでいいとやり過ごす。しかし、時間は終わり、アイツは興が削がれたように眠りについた。
消化しきれなかった胃の中を便器に吐き出し、空いた箇所にアルコールを流し込んでシャワーを浴びると、死ねたような気がした。
だけど死ねなかったから、鋏を手首に突き刺す。皮膚が少し破けて、だらしなく血が流れた。
濡れた髪のままベッドに倒れ込む。
携帯には専門学校から着信が入っていた。
親切なことに、全てから絶え間無く責められる。
目覚めないことを願い、目蓋の裏に逃げ込む。
夢の中、世界が微睡むような午後の日差しの中、僕はアイツの首を締めていた。
日に当たらない青白い首筋に、赤く爪が食い込む。床に寝転んだアイツの唇が何かを紡ごうとするのを、必死に貧弱な腕力が押さえつける。
目から涙が零れ落ちる。何故泣くのか。
いつも僕を嘲り殴るくせに。致し方ない生理的な涙だと頭ではわかってるのに、僕はいつまでも泣きながら首を締めていた。
刺すような言葉を投げ掛けられるのを、テレビが流す雑音で搔き消す。
食べ終わると、腹を立てたアイツに殴られ、首を締められる。細く息を吐きながら、このままでいいとやり過ごす。しかし、時間は終わり、アイツは興が削がれたように眠りについた。
消化しきれなかった胃の中を便器に吐き出し、空いた箇所にアルコールを流し込んでシャワーを浴びると、死ねたような気がした。
だけど死ねなかったから、鋏を手首に突き刺す。皮膚が少し破けて、だらしなく血が流れた。
濡れた髪のままベッドに倒れ込む。
携帯には専門学校から着信が入っていた。
親切なことに、全てから絶え間無く責められる。
目覚めないことを願い、目蓋の裏に逃げ込む。
夢の中、世界が微睡むような午後の日差しの中、僕はアイツの首を締めていた。
日に当たらない青白い首筋に、赤く爪が食い込む。床に寝転んだアイツの唇が何かを紡ごうとするのを、必死に貧弱な腕力が押さえつける。
目から涙が零れ落ちる。何故泣くのか。
いつも僕を嘲り殴るくせに。致し方ない生理的な涙だと頭ではわかってるのに、僕はいつまでも泣きながら首を締めていた。