わたしの退屈

文字数 238文字

 現実に追いつかれる前に
 わたしは退屈をかたちにしなければならない
 人と関わりたがらないわたしの
 冷たい退屈に血を通わせなければならない
 現実に追いつかれる前に
 わたしが守りつづけてきた退屈を
 腐蝕した影とは違うやり方で生かさなければならない
 窓から世界を覗くだけの種族が
 渇いた眼で同類の夢を待っている
 わたしは窓の向こうの同類に
 親しげな目配せの代わりのように
 わたしの退屈を手紙として投げつける
 ひびの入った天蓋が落ちてきて
 わたしたちの時間が粉々に砕け散ってしまう前に
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