第6話
文字数 2,226文字
「びっくりしましたよ!昨日の今日でお茶に行こうって言われて!」
眞子が紅蓮の近くまで来ると笑顔でそう言葉を綴る。
「ごめんね、眞子ちゃん。急にそんなメッセージ送って」
「いえいえ!大丈夫ですよ!」
そう言って、紅蓮と眞子は近くの喫茶店に入っていった。
「……お待たせしました」
喫茶店の店員が注文した飲み物を持って席に並べる。
「誘ったのは俺だからここは俺が出すよ。良かったら何か食べるものは?」
「食べるものは大丈夫です!家で食べてきたんで!」
そう言って眞子がにかっと笑う。
「それにしても、ドレス姿と私服姿と何だか雰囲気変わるね」
紅蓮が眞子の格好を見てそう言葉を綴る。眞子は今日はスラックスにTシャツを着てその上に軽くカーディガンを羽織っているだけのラフな格好だった。
「私、元々こういった動きやすい格好の方が好きなんですよ。身体を動かすのが好きな方なんで」
眞子がそう言いながら「全然違うでしょ?」と言って笑う。
「いいんじゃない?俺的には眞子ちゃんはそういう格好の方が似合うと思うよ?」
紅蓮が眞子の服装を見ながら楽しそうにそう言葉を綴る。
「ありがとうございます!まぁ、他のお客さんには「何その恰好?」って言われるんですけどね。紅蓮さんはそういうこと言わないんですね!なんだか、気が楽です!」
眞子が「えへへ」と笑いながら嬉しそうに言葉を綴る。
「……そういえばさ、昨日は大丈夫だった?」
「……へ?」
紅蓮の言葉がよく分からなくて眞子の口から変な声が出る。
「昨日さ……」
紅蓮がそう言って眞子にある事を話した。
「……確か、あるホステスが零士の事をすごく気に入って入れ込んでいたって聞いたことはあるわ」
「名前は分かりますか?」
槙が金森の言葉にそう聞く。
「……えーっと、確か『麗美』って子じゃなかったかしら?」
透がその名前を聞いて目を見開く。
(あの人か……)
透が恐らく昨日接客をした人だと思い、そう心で呟く。
「その麗美さんって人の話は零士さんからどういう事を聞いたことがあるんですか?」
奏が金森に尋ねる。
「なんというか……、とても我が儘な子だって聞いているわ。貢いでくれているから無下にはしなかったみたいだけど、いろんな場面で「私の男」と言う感じで接してくるのが嫌だったって聞いているわ。その時は客の一人だけど、もう縁を切るみたいなことを話していたけど……」
「……そうなんですね。他の女性に関しては何か話を聞いたことはありませんか?」
奏の言葉にしばらく金森が考える。
「……他は聞いたことはないわね。あ……でも……」
金森は何かを思い出したのかそう口を開いた。
「……あー、気付いてたんですね……」
紅蓮の言葉に眞子がそう言葉を発する。
紅蓮が話したのは、昨日、麗美が席に来てから眞子がどこか居づらそうにしているという話だった。その話をされて眞子は驚きを隠せなかったが、観念したようにそう言葉を発した。
「その麗美ちゃんって子と眞子ちゃんは仲が悪いの?」
紅蓮がそう言葉を切り出す。
「いえ……、仲が悪いというか私がただ単に麗美さんの事が苦手なだけで……」
眞子が困ったようにそう言葉を綴る。
「何かあるの?」
紅蓮の問いに眞子が話そうかどうか悩んでいるそぶりを見せる。
「その……、昨日話しましたよね?お客さんを獲得するためにお客さんと寝る子がいるって……」
「じゃあ、その麗美ちゃんって子は……」
「まぁ、あくまでそういう噂なんで本当かどうかは分からないですけど、麗美さんはそういう事をして客を獲得しているっていう話なんです……。それに、そういう事でもお手当を貰っているって言う話で……」
「生活が懸かっているからとかで……?」
紅蓮がその話にそう言葉を綴る。すると、眞子は困った顔になって話しにくそうにしている。
「その……、聞いた話ではあるホストにかなり貢いでいるって言う話なんです……」
紅蓮がその言葉を聞いて更に話を投げかける。
「ちなみになんていうホストなの?」
「……例の殺された零士さんです……」
眞子の言葉を聞いて紅蓮の目が見開いた。
「……お、来たか」
奏たちが金森の聞き込みを終わり、紅蓮に連絡を取って合流する。
「よっ!お待たせ♪」
紅蓮がそう言って奏たちの元にやってくる。
「一体何をしていたんだ?チームを乱しやがって……」
槙が半分怒っているような雰囲気で淡々と言葉を吐く。
「……眞子って子に会っていたんだろ?」
透の言葉に紅蓮が驚きの顔をする。
「……気付いていたか」
紅蓮が観念したようにそう言葉を発する。
「「眞子?」」
その名前に奏と槙の頭の中ではてなマークが浮かぶ。
「昨日、俺たちの席にきた女の子だよ」
透がそう説明する。
「……で、何か分かったのか?」
「まぁな♪」
そう言って紅蓮が先程の事を話す。
「……また、麗美だな……」
紅蓮の話を聞いて透がそう言葉を漏らす。
「どういうことだ?」
紅蓮がそう言葉を返す。
「実はな……」
透がそう言って先程会ってきた金森の話をする。
「……成程な、ちょっと怪しいかもな……」
その言葉に紅蓮が神妙な顔でそう言葉を綴る。
「後、もう一つある。誰かまでは分からないが、実はな……」
透がそう口を切ってある話をした。
紅蓮はその話に驚きを隠せなかった。
そして、夜が更けてきてクラブ「フェリチタ」の看板が灯る。
「じゃあ、行きますか♪」
紅蓮がそう言って透とともに、その店の扉に手を掛ける。
二人の瞳にはある思惑があった。
眞子が紅蓮の近くまで来ると笑顔でそう言葉を綴る。
「ごめんね、眞子ちゃん。急にそんなメッセージ送って」
「いえいえ!大丈夫ですよ!」
そう言って、紅蓮と眞子は近くの喫茶店に入っていった。
「……お待たせしました」
喫茶店の店員が注文した飲み物を持って席に並べる。
「誘ったのは俺だからここは俺が出すよ。良かったら何か食べるものは?」
「食べるものは大丈夫です!家で食べてきたんで!」
そう言って眞子がにかっと笑う。
「それにしても、ドレス姿と私服姿と何だか雰囲気変わるね」
紅蓮が眞子の格好を見てそう言葉を綴る。眞子は今日はスラックスにTシャツを着てその上に軽くカーディガンを羽織っているだけのラフな格好だった。
「私、元々こういった動きやすい格好の方が好きなんですよ。身体を動かすのが好きな方なんで」
眞子がそう言いながら「全然違うでしょ?」と言って笑う。
「いいんじゃない?俺的には眞子ちゃんはそういう格好の方が似合うと思うよ?」
紅蓮が眞子の服装を見ながら楽しそうにそう言葉を綴る。
「ありがとうございます!まぁ、他のお客さんには「何その恰好?」って言われるんですけどね。紅蓮さんはそういうこと言わないんですね!なんだか、気が楽です!」
眞子が「えへへ」と笑いながら嬉しそうに言葉を綴る。
「……そういえばさ、昨日は大丈夫だった?」
「……へ?」
紅蓮の言葉がよく分からなくて眞子の口から変な声が出る。
「昨日さ……」
紅蓮がそう言って眞子にある事を話した。
「……確か、あるホステスが零士の事をすごく気に入って入れ込んでいたって聞いたことはあるわ」
「名前は分かりますか?」
槙が金森の言葉にそう聞く。
「……えーっと、確か『麗美』って子じゃなかったかしら?」
透がその名前を聞いて目を見開く。
(あの人か……)
透が恐らく昨日接客をした人だと思い、そう心で呟く。
「その麗美さんって人の話は零士さんからどういう事を聞いたことがあるんですか?」
奏が金森に尋ねる。
「なんというか……、とても我が儘な子だって聞いているわ。貢いでくれているから無下にはしなかったみたいだけど、いろんな場面で「私の男」と言う感じで接してくるのが嫌だったって聞いているわ。その時は客の一人だけど、もう縁を切るみたいなことを話していたけど……」
「……そうなんですね。他の女性に関しては何か話を聞いたことはありませんか?」
奏の言葉にしばらく金森が考える。
「……他は聞いたことはないわね。あ……でも……」
金森は何かを思い出したのかそう口を開いた。
「……あー、気付いてたんですね……」
紅蓮の言葉に眞子がそう言葉を発する。
紅蓮が話したのは、昨日、麗美が席に来てから眞子がどこか居づらそうにしているという話だった。その話をされて眞子は驚きを隠せなかったが、観念したようにそう言葉を発した。
「その麗美ちゃんって子と眞子ちゃんは仲が悪いの?」
紅蓮がそう言葉を切り出す。
「いえ……、仲が悪いというか私がただ単に麗美さんの事が苦手なだけで……」
眞子が困ったようにそう言葉を綴る。
「何かあるの?」
紅蓮の問いに眞子が話そうかどうか悩んでいるそぶりを見せる。
「その……、昨日話しましたよね?お客さんを獲得するためにお客さんと寝る子がいるって……」
「じゃあ、その麗美ちゃんって子は……」
「まぁ、あくまでそういう噂なんで本当かどうかは分からないですけど、麗美さんはそういう事をして客を獲得しているっていう話なんです……。それに、そういう事でもお手当を貰っているって言う話で……」
「生活が懸かっているからとかで……?」
紅蓮がその話にそう言葉を綴る。すると、眞子は困った顔になって話しにくそうにしている。
「その……、聞いた話ではあるホストにかなり貢いでいるって言う話なんです……」
紅蓮がその言葉を聞いて更に話を投げかける。
「ちなみになんていうホストなの?」
「……例の殺された零士さんです……」
眞子の言葉を聞いて紅蓮の目が見開いた。
「……お、来たか」
奏たちが金森の聞き込みを終わり、紅蓮に連絡を取って合流する。
「よっ!お待たせ♪」
紅蓮がそう言って奏たちの元にやってくる。
「一体何をしていたんだ?チームを乱しやがって……」
槙が半分怒っているような雰囲気で淡々と言葉を吐く。
「……眞子って子に会っていたんだろ?」
透の言葉に紅蓮が驚きの顔をする。
「……気付いていたか」
紅蓮が観念したようにそう言葉を発する。
「「眞子?」」
その名前に奏と槙の頭の中ではてなマークが浮かぶ。
「昨日、俺たちの席にきた女の子だよ」
透がそう説明する。
「……で、何か分かったのか?」
「まぁな♪」
そう言って紅蓮が先程の事を話す。
「……また、麗美だな……」
紅蓮の話を聞いて透がそう言葉を漏らす。
「どういうことだ?」
紅蓮がそう言葉を返す。
「実はな……」
透がそう言って先程会ってきた金森の話をする。
「……成程な、ちょっと怪しいかもな……」
その言葉に紅蓮が神妙な顔でそう言葉を綴る。
「後、もう一つある。誰かまでは分からないが、実はな……」
透がそう口を切ってある話をした。
紅蓮はその話に驚きを隠せなかった。
そして、夜が更けてきてクラブ「フェリチタ」の看板が灯る。
「じゃあ、行きますか♪」
紅蓮がそう言って透とともに、その店の扉に手を掛ける。
二人の瞳にはある思惑があった。