セリフ詳細

ホワイトクリスマスの夜に、暖炉の前で読むのに最適な本はなにかしら。
と児童文学スキーの友人に聞いたら、速攻で紹介してもらった本です。
さすがにおすすめだけあってめっちゃ素敵な本でした♪

ドイツの寄宿学校、ギムナジウムで寝起きする仲良し五人組。詩人に臆病なおチビさん、マッチョなボクサー志望、クールなアウトサイダー、そして貧乏な秀才。彼らのやんちゃと友情と、ライバル学校との(有史以前から続いている?)壮絶だけれども厳格なルールに則った闘い。
訳者の池田香代子さんいわく、「思春期にある人々は、なまいきな子どもでも、不完全な大人でもありません」とのこと。そんな、人生のとても大切な時代がいきいきと描かれています。
そして、少年から青年に成長していく彼らを優しく見守る先生と、近所の払い下げ車両に住む世捨て人。この大人たちがとても良いのです。
みんなまっとうに正直に生きていて、全員がすてきなクリスマスを迎えます。
それぞれが受け取ったプレゼントは・・・? それは、ぜひ本を読んでみてください。ぐっときますよー☆

ところで、ケストナーさんの本は『ふたりのロッテ』しか知らなかったわたしなのですが、実はこの方、当時のドイツのナチス政権から迫害され、実際にこの本を書いているときにも、彼の本は集められ焚書されてしまっていたのだそうです。
一読目はいったいこのしあわせな本のどこが政府批判なのかさっぱりわかりませんでしたが、あらためて当時の時代背景などを考えながら読むと、まっとうなことをまっとうに、正しいことを正しいといえなかった頃、命がけでドイツの子どもたちに正義を語っていたのだなあと、作家の視点を想像してからもぐっときました。すごい人ですケストナーさん。
(もちろん、そんなきな臭いことを考えなくても、ふつうに良いお話でおもしろい本ですよー♪)
他にもいろいろ訳されているので、探して読んでみようとおもった年の瀬の夜でした♪
(クリスマスはちょっと過ぎちゃいましたけどね)

作品タイトル:らせんの本棚・IV

エピソード名:『飛ぶ教室』

作者名:神楽坂らせん  K_rasen

58|創作論・評論|完結|104話|95,832文字

レビュー集, SF, ファンタジー, 実用書, マンガ, コミック, その他, もろもろ, なんでも, ござれ

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【電子書籍化しました!】

星図にも載っていない辺鄙な宙域のはるか奥地、銀河の西の渦状椀のそのはての、地味な隅っこのそのまたはずれに、何の変哲もない小さな黄色い太陽があった。
いくつかの惑星がその重力圏にぶらさがって悠久の昔から飽きもせずくるくると回っていたのだが、その中の、大体一億五千万キロメートルほど太陽から離れたあたりの軌道に、これまたぱっとしない青緑色の惑星があり、このあたりでは地球と呼ばれていたそうだ。
その地球の一角で細々と運営されているGoogle+という過疎SNSの中の、これまたはずれのほうに『本が好きコミュニティ』というささやかな本好きがあつまるコミュニティがあった。
これは、その『本が好き』コミュニティにアップされた、【神楽坂らせん】による本のレビューをアトランダムにコレクションする摩訶不思議なレビュー集である。

※レビューの対象は児童文学からファンタジー、SF、コミックから実用書などなど、とくにジャンルは定めていません。本好きがてきとーに手に取って面白かった本を中心にお送りします。

※各話ごとに一冊(または1シリーズ)の紹介を基本にしています。もともとアトランダムに紹介していますので、どの話から見ていただいてもOKです。お好きなお話からどうぞ♪

※「らせんの本棚」①~③までは、某Kindleでひっそりと電子書籍として出版しておりますので、(アンリミテッド会員ならタダだよ!)古き良き時代の電子の本棚をご覧になりたい方は、そちらのほうをご参照ください。

※各レビューに掲載しております書影などの著作権は各出版社・著者に帰属します。

※電子書籍版は https://www.amazon.co.jp/dp/B07BPCVZBL となります。2018年3月26日夕刻より5日間無料キャンペーンしますのでぜひどうぞー♪