セリフ詳細
「この世界の片隅に」の、こうの史代さんが描いた、東日本大震災の爪痕の風景。
妻を失った(らしい)雄鶏が、忘れてはならないのに少しづつ過去になっていく震災の記憶と、妻の想い出を重ねあわせ、淡々と復興の日常を語ります。
悲しいことは悲しく、うれしいことはうれしく。大切なことはそっと胸に抱いて、そして現実を見つめて今を生きる雄鶏の姿。
焼け跡からよみがえると言われる「火の鳥」と、日本の「日」をかけたタイトルはそういうわけだったのかしらん。とページをめくりながら、あの日と、それから今に続く日々に思いを馳せてしまいます。
復興の日常なので、特にストーリーと言ったものは無いのですが、日々を追う毎ページのやさしいタッチのイラスト(こうの史代さんならではのボールペンの絵がすばらしいです!)と、ほんわかした詩のような文章がけっこうぐっとくるのです。
ところで、原子力発電の中で何が起きていたのか、とってもミクロに、でも正確に知りたい方は、2巻のラストにある書下ろしの、まさかの原子核を擬人化した『小さな世界』は必読です。これ、原子物理学の教科書にそのままできてしまいそう……。めちゃくちゃわかりやすいですよ!!
作品タイトル:らせんの本棚・V
エピソード名:『日の鳥』
★134|創作論・評論|連載中|100話|100,031文字
レビュー集, ネタバレなし, なんでもかんでも, アトランダム, コミック, 小説, SF, 技術書, いろいろあるよ
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地道に不定期更新。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本達の紹介レビュー集です。
アトランダムに食指が動いた本を乱読しています。
基本、ネタバレはなしで、なるべく内容をバラさずに本の面白さを紹介するように心がけています。
ですから対象本を読む前に読んでいただいてぜんぜんオッケー!
読んだあとから読んでいただくと、「そうそう!」って言いたくなる、そんなレビューにしているつもりです。
順番関係なくどこからでも気になったタイトルをどうぞー♪
※Google+の『本が好き』というコミュニティへの投稿が元になっています。2019年4月にGoogle+が閉鎖されてしまうという話もあり、この先どうなっちゃうのか心配ですが、まあいけるところまでまったり行こうとおもいます〜。