セリフ詳細

そうだ、ファラオの下で一枚岩になりきれなかったようだな。

で、その後、ツタンカーメンが国家神をアメンへ戻す。

が、若くして亡くなった。

その跡を継ぎファラオになっていくのが、ツタンカーメンを支えていた重臣アイ、そして軍人ホルエムヘブなんだが、ホルエムヘブの後はというと、彼が子宝に恵まれなかったこともあり、後継者を自身と同じ軍人出身者から選抜した。結果、再び軍事上がりのファラオが誕生するとともに、王家の血がいったん断絶する。

今度はここにな、〈軍事的権力〉のほうの分岐的伸長を感じることができない? 
また、新王国時代も終わりになると、今度はアメン神官団が自立してエジプトの南半分、上エジプトを抑えてしまうんだ。こっちは〈宗教的権力〉の突出だろう。ことほどさように、〈軍事的権力〉〈宗教的権力〉〈政治的権力〉は、王という〈一者〉に統合されてはいるんだが、なんつーか、三権の緊張関係は依然として潜在しており、ときにそれが露呈するわけ。

作品タイトル:哲学BARへようこそ! - 国家とはなにか?-

エピソード名:7 古代エジプト

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

18|社会・思想|連載中|21話|74,412文字

哲学, 思想, 言論, 国家とはなにか, 哲学カフェ

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「哲学カフェ」小説です。
『ソフィーの世界』のようなものだとご理解(ご容赦)ください。
内容に関する間違いの指摘や批判など、大歓迎ですので、ご意見いただき、
随時update訂正していきたいと思います。
そうなりますとまさに「電子版・哲学カフェ」ですね・・・