セリフ詳細

外へ向いていた〈奪う権力〉は折れ曲がり、共同体の中へな、いわば内在化していくのさ。具体的な話をするとだ、「穀物国家」のところでふれたが、たとえば敵から捕虜を連れ帰ってきた場合、彼/女らは「我々」共同体の内側で暮らすことになるだろう。で、奪われることになる。〈奪う権力〉のターゲットとなる。
このへんの話はもっと後でもう少し詳しくふれたいとは思うが、まぁ要するに〈奪う権力〉もまた、なんだかんだで共同体内で作用するようになる、ってこと。
一方で、〈与える権力〉のほうが外へ向くこともある。共同体から共同体への贈与、がそれだ。現代でも、たとえば先進国から途上国への援助があるくらいだからね。

作品タイトル:哲学BARへようこそ! - 国家とはなにか?-

エピソード名:  権力とはなにか?(2)

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

18|社会・思想|連載中|21話|74,412文字

哲学, 思想, 言論, 国家とはなにか, 哲学カフェ

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「哲学カフェ」小説です。
『ソフィーの世界』のようなものだとご理解(ご容赦)ください。
内容に関する間違いの指摘や批判など、大歓迎ですので、ご意見いただき、
随時update訂正していきたいと思います。
そうなりますとまさに「電子版・哲学カフェ」ですね・・・