セリフ詳細

さて、ほんの少し、デカルトをフォローしてしまうとするなら、

西田の言う「我」とは、必ずしもデカルトの「我」を全面否定というよりは、むしろ、

デカルトの「我」の向こう側まで突き抜けいる、とも言える。

つまり、デカルトが思い描いた「我」の根底に、そのような「我」があるものと、ぼくらに思わせてしまうような〈はたらき〉がある、ってことなんだ。

この〈はたらき〉を、西田は「我」ではなく、自己と表記する。

作品タイトル:西田幾多郎を読む

エピソード名:『善の研究』を読む④

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

19|社会・思想|連載中|9話|32,364文字

哲学, 西田幾多郎, 善の研究

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哲学者・西田幾多郎の著作を順番に読み進めていきます。