セリフ詳細

この意思表示は、ロバート1世が生前中に十字軍に参加することが出来なかったことと、己が犯した宗教上の罪(少なくとも教会でジョン・カミンを殺したという不敬罪のことではない)に対する償いを意味していた。この任務を割り当てられることとなったのがジェームズ・ダグラス卿であった。ダグラス卿は、ロバート1世の心臓を銀の小箱に入れて保存し、その箱を鎖で首にかけたのである。実利主義により諸国家間による十字軍構想が挫折すると、ダグラス卿とその仲間たちはイベリア半島に渡ってカスティーリャ国王アルフォンソ11世が立ち上げたグラナダ王国のモール人に対する戦いに加わった。1330年8月のテバ包囲戦でダグラス卿が戦死したことで、ロバート1世との約束が果たされた形となった。ダグラス卿の遺体、並びにその首に掲げられていたロバート1世の心臓が入っていた銀の小箱は、戦場で発見されたと言われている。両者ともウィリアム・キース卿の手によってスコットランドへ持ち運ばれた。ロバート1世が残した遺志に従ってロクスバラシャーのメルローズ修道院に埋葬された。1920年に考古学者によって心臓が発見されたと主張され、再び埋葬されたが、埋葬地の痕跡はない。1996年の修復中に箱が発掘された。エディンバラのAOC考古学者による化学研究所は、箱の中には人間の組織が含まれており、それが適切な年齢であることを立証した。ロバート1世の願いどおりに、箱は1998年にメルローズ修道院に再埋葬された。

作品タイトル:アラゴン王家の亡霊たちの呟き

エピソード名:スコットランド王ロバート1世(15)

作者名:Petronila

147|ファンタジー|連載中|851話|949,402文字

ファンタジー, 過去世, スピリチュアル, 亡霊, スペイン, アラゴンの歴史

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スペイン旅行に行った時について来たらしいアラゴン王の亡霊の呟き